<<業界トレンド最前線!>>
自転車の不正駐輪を防いで美観を保つ
初期投資を抑えて始める駐輪場サービス
物件のエントランスや階段下などのデッドスペースを駐輪場として貸し出すシェアサービス「みんちゅうSHARE-LIN(シェアリン)」。2017年のリリース以降、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)ならびに大阪市や名古屋市などの都市部で5000拠点までに拡大している。25年4月には東京都荒川区と協定を締結。同サービスと協定を結ぶ行政は13となった。

▲自転車1台につき必要なスペースはたった200cm×50cm
「行政のほか、金融機関や電鉄会社との提携が多いですが、不動産オーナーも3割ほどを占めています」と話すのは同サービスを運営するアイキューソフィア(東京都新宿区)の坂元舞担当営業部長だ。
駐輪場として貸し出すスペースは1台分から可能。初期投資は車室枠用のテープや看板などで数万円と低額であるため、容易に導入して遊休スペースの収益化を図ることができる。月極契約で1台あたり平均2000円。管理や集金はすべて同社が担う。
だが、このサービスの肝は不正駐輪の防止にあるという。「もともと駅前の駐輪場が不足しているため、ちょっとしたスペースに自転車を勝手に止められてしまうのです。不正駐輪が多いと危険ですし、何よりオーナーにとっては不特定多数の人間が所有地に入ることは避けたいでしょう」(坂元担当営業部長)
エリアの美観を守ることが、治安の維持にもつながる。社会貢献性の高いサービスを提供しながらオーナーは収益をあげることができる。
(2025年9月号掲載)