1階から入居者が決まり始め1カ月半で満室

土地活用賃貸住宅

<<注目の新築プロジェクト>>

専用庭とガス衣類乾燥機で付加価値アップ
1階から入居が決まり始め1カ月半で満室

ABELIA(アベリア:栃木県宇都宮市)

サークル不動産(栃木県宇都宮市)
村田佳子社長

 上場企業の工場が多く所在する工業団地から程近く、宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線の宇都宮大学陽東キャンパス停留場から徒歩5分という立地に新築されたマンションが、募集から1カ月半で満室になった。軽量鉄骨造の3階建て、1LDK・12戸から成る「ABELIA(アベリア)」だ。近隣の上場企業に勤める役職付き単身赴任者をメインターゲットに考えていた。

間接照明をうまく取り入れ、落ち着いた雰囲気のABELIA外観

 「同物件のオーナーは建築関係の仕事に従事しており、190戸を超える新築の注文戸建て住宅を手がけてきました。その経験や顧客からヒアリングしたことを生かした工夫やこだわりが随所に見られます」と話すのは、賃貸物件の管理を行うサークル不動産(栃木県宇都宮市)の村田佳子社長。

 まず目に付くのは専用庭だろう。1階は入居者が決まりにくいうえ、細長い敷地のためスペースが余ってしまう懸念があった。そこで専用庭にして、バイク好きがリビングから愛車を眺められるように大型バイクを置くこともできるようにした。この狙いが当たり、1階から入居が決まっていった。「注文戸建て住宅を計画していると、父親の部屋が最も優先順位が低いのです。賃貸住宅で『男の夢』を叶えたいというオーナーのこだわりでつくられた物件です」と村田社長は話す。

1階の部屋には専用庭から入ることもできる

 室内にもこだわりが詰まっている。玄関では、大きな荷物や趣味の物を置くことができる収納スペースが目を引く。一般的に、玄関に収納をつくる場合、扉を付ける。だが、結局開け閉めが面倒で開けっ放しになっている場合が多いことに気付いた。そこで最初から扉をつけずに土間とした。さらに、洋室とLDKの間仕切りを可動式にすることで、入居者がオンとオフを切り替えたり空間をより自由に使えたりできるようにした。

 

 工夫は、設備にもある。「洗濯物を洗った後に干すという作業は意外と手間がかかります。オーナーは入居者の利便性を考え、ガス衣類乾燥機を導入しました」(村田社長)。オーナーは1棟目の新築物件でも同様に設置しており、入居のフックになることを実感していたのだ。

 

 さらにコンセントをリビングとキッチン合わせて10口、洋室に2口、玄関に2口設置している。1人暮らしでも家電製品やパソコン関連など、電化製品は増えることはあっても減ることはない。十分な数のコンセントを用意すれば、たこ足配線による火災のリスクを減らすことにつながると考えた。

 賃料は約9万円。周辺相場に比べて高いわけではないが、12戸のうち2戸は新入社員が入居した。「オーナーもびっくりしていました」(村田社長)

(2025年9月号掲載)

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