<<My賃貸経営スタイル>>
エリアを吟味し立地にこだわる新築 夫婦二人三脚で高利回り経営を実現
2020年から夫婦二人三脚で不動産経営を始めたのは新町崇・明日香オーナー夫妻(新潟市)だ。現在所有するのは2棟14戸と戸建て1戸。このほかに建築中の1棟がある。戸建て以外は土地を購入して一から新築した。
新町崇・明日香オーナー夫妻(新潟市)

1棟目は東京都足立区、2棟目は新潟市郊外に所有する新築マンションだ。
最初に1棟目を東京都に購入したのは、崇オーナーがこのエリアに詳しかったからだという。茨城県出身の崇オーナーは、つくばエクスプレス線の沿線の人口がどんどん増えていて、賃貸需要も増していることを知っていた。足立区にある同線の六町駅は、快速は止まらないものの、20年当時には競合物件の少ない穴場だった。
六町駅から徒歩13分の場所に単身向け1K、ワンルーム・全6戸のマンションを新築。竣工後数カ月で新型コロナウイルスが流行し、退去が続いた時期もあったが、ステージングを行うことによってインターネットの閲覧で選んでもらいやすくする、管理会社との連絡を密にとって空室後の対応を素早く進めるなどの工夫で乗り切った。

▲東京都の「六町駅」近くの物件。ほぼ満室稼働している
現在、入居者は会社員が中心で、ほぼ満室で推移している。価格は5200万円、家賃は5万円台で、表面利回りは8%ほどだ。「今、同じエリアに新築を建てようと思うと、利回りは6%ほどになり、資産価値の向上を感じます。最初の新築で好調なスタートを切ることができて安心につながりました」(崇オーナー)
地元での土地勘を生かして 魅力的な立地、間取りで新築
2棟目は24年に新潟市の郊外に土地を購入し、1LDK・8戸のマンションを新築した。価格は8900万円だった。家賃は駐車場込みで7万4000円ほど。表面利回りは8%ほどになる。こちらも新潟市に住む感覚を生かし、賃貸に向く土地を仕入れることができた。
また、建築段階から管理会社のアドバイスを受けたのも成功のポイントだ。1Kやワンルームでは入居付けが難しいとの指摘があり、1LDKタイプを8戸としている。
新潟市の場合、駐車場が必須の割安な土地があったとしても、その中でどのような場所に需要があるかは地元以外の投資家には分かりにくい。「新潟は東京と違い、高速道路のジャンクション付近や、大型ショッピングモールの近くに人が集まる傾向があります。土地購入後に周辺の開発が決まり、運も味方してくれました」(崇オーナー)

▲ホームステージングでは住む人を想像。シンプルで清潔感のある部屋を目指した。

▲シーリングファンは1万円ほどと安い。高級感が出るので、新町オーナーは費用対効果が高いと感じている。
同年12月に竣工となったが、引き渡しの時点で8戸中7戸がすでに決まっていた。新築にもかかわらず竣工と同時にほとんどが埋まったのには工夫があった。「10月に1部屋だけ先に仕上げてもらい、モデルルームとして内見してもらったのが良かったと思います」と明日香オーナーは振り返る。これも管理会社と連携して得たアイデアだ。
借入金が増えるほど 夫婦仲が良好に
家庭内で今後のライフプランを話し合った際に、家族が収入を得る手段として不動産がいいのではないかという意見が一致した新町夫妻。不動産探しやプランニング、ステージングなどを夫婦二人三脚で行い、公私ともに息の合うパートナーとなっている。「夫婦で同じ方向を向いて生きているのが幸せ」と話す明日香オーナー。

▲新潟市に新築した物件。エリア柄、駐車場は戸数の約2倍を確保。
25年冬に竣工予定のものも合わせ、3棟すべてをフルローンやそれに近い状態で借り入れているため、現在の借入金額は大きい。「借り入れできるということは、事業が順調に進んでいる証拠です。物件を増やすごとに、夫婦の会話も増えて仲が良くなっているように思います」(崇オーナー)
事業のための借り入れすらも不安ではなく喜びとして感じる新町夫妻。二人一緒に大きな決断を重ねて始まった「家業」を、これからも家族で成長させていくのが目標だ。
(2025年 10月号掲載)