<<注目の新築プロジェクト>>
アートの力で印象に残りやすい外観に
繁忙期後でも募集から3週間でほぼ満室
カーサフェリーチェ上星川(横浜市)

アートを取り入れた賃貸住宅が2025年10月、相模鉄道相鉄本線上星川駅から徒歩3分の場所に誕生した。赤井誠オーナー(横浜市)が新築した「カーサフェリーチェ上星川」だ。建築したのはモダンアパートメント(大阪市)。建物の印象をガラリと変えるアートの使い方がポイントとなっている。

赤い色がポイントとなって目を引く外観
「近年、各種設備の充実だけでは差別化を図ることが難しいと思っていました。そうした中、物件にアートを取り入れるという方法を知りました」と赤井オーナーは話す。
同物件はワンルームと1Kから成る全9戸の木造3階建ての単身者向けアパート。館銘板の上にオリジナルアートを設置した。そのアートを手がけたのは、ABONDANCE(アボンダンス:東京都新宿区)の西村有紀子社長だ。西村社長はアパレルデザインのほか、有名ホテルのロビーにも作品を展示するなどアーティストとして幅広く活躍している。赤井オーナーが物件の「面白さ」を模索していた中、出会ったのだという。
「所有する賃貸物件をすべて見せたほか、私の好きな絵の雰囲気なども伝えたうえで、自由にデザインしてもらいました」(赤井オーナー)
- ABONDANCEの西村社長デザインの アートは館銘板との相性も良い
- トイレの壁紙は外壁のアートと リンクしたデザイン
館銘板の上に設置したアートに加え、トイレの壁紙も西村社長が同物件のためだけにデザインしたもので、物件の外側と内側に統一感を持たせている。
設備も充実させた。2口コンロのキッチンに浴室暖房乾燥機、温水洗浄便座をはじめ、防犯カメラや宅配ボックスなど、入居者に人気のある設備を網羅している。
- 浴室は浴室暖房乾燥機付き
- 使いやすい2口コンロのキッチン
今回導入した外壁のアートとトイレのオリジナル壁紙の制作にかかった費用は、それぞれ15万円強。外壁に取り付けたアートの有無で印象がかなり変わるうえ、アーティスト物件として差別化できることを考えると費用対効果は高いといえる。また外壁に直接アートを施していないため、外壁修繕時にアートがあることによる手間はかからない。
- 室内は白を基調としており日差しが映える
- 室内にはモダンアパートメントの渡邊勇三社長の提案で3パターンのアクセントクロスを貼った
同物件の周囲は落ち着いた雰囲気の住宅街で、最寄り駅である上星川駅から横浜駅までは電車1本で10分程度と交通の便も良い。家賃は6万5000~7万3000円(管理費込み)と、周辺相場より2000円程度高い設定とした。繁忙期からずれていたにもかかわらず募集開始から3週間でほぼ満室となった。契約済みの8戸のうち、女性入居者が6戸を占める。入居者からは立地の良さに加え、「トイレのアクセントクロスにこだわりが感じられた」という声が挙がった。
【物件概要】
物件名:カーサフェリーチェ上星川
所在地:横浜市
構造:木造・3階建て
住戸数:9戸
竣工年: 2025年10月
部屋タイプ:1R・1K(19.27~22.05㎡)
家賃:6万5000~7万3000円(管理費込み)

[1階の平面図]
(2026年1月号掲載)

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