『楽しい』を追求したログハウス賃貸 -アールシーコア

土地活用その他建物

<<木造建築の新展開>>

ログハウス賃貸で『楽しい』を追求した新提案

これまで「BESS(ベス)」のブランド名でログハウスを中心に、自然派の戸建て住宅を設計・提供してきたアールシーコア(東京都渋谷区)は2025年10月より賃貸住宅市場へ参入する。ログハウス型の賃貸住宅の特徴は一体何か。

無垢材の温かみを感じて経年劣化を楽しむ

 BESSは家を自然体で自分らしい暮らしを楽しむための「道具」と定義する、無垢材を使用した企画型住宅シリーズだ。

 これまで戸建て物件を手がけていた同社初の集合住宅商品は、テラスハウス(長屋)型の賃貸向け木造集合住宅だ。BESSシリーズの中で最も人気のある戸建て「ワンダーデバイス」シリーズを連結させ、メゾネットにアレンジ。外観には無垢材とガルバリウム鋼板を、居室内は壁や床、階段に無垢材を使用している。

 無垢材は経年変化を楽しむことができる。年月がたつことによる色みの変化に代表されるような「味わい」を体験できることが特長だ。入退去ごとの壁や床の交換をせず、エイジングの価値を次の入居者に引き継ぐ。交換頻度も減らせるため、省施工に貢献する。

珍しい設備・間取りを提案 遊びごころをふんだんに

 同社が手がける物件においては、無垢材の使用のほかにも吹き抜け天井やウッドデッキ、まきストーブ、土間など、賃貸住宅ではあまり普及していない建材や設備を提案する。

 さらに「ネスト空間」と呼ばれる巣ごもりをイメージするようなオリジナル省スペースやオーナー、入居者が自由にDIYできる壁「DIYウォール」、天井に設置するアスレチック設備「ウンテイ」も用意。木に囲まれた空間づくりで日々の暮らしを楽しいものにし、遊びごころをたっぷり備えた同社の哲学を詰め込んでいる。

 

 22年の国土交通省「丸太組構法建築物の建築確認統計」によると、アールシーコアはログハウスの国内シェアの57%を占める。「住む」より「楽しむ」をブランドスローガンとする同社は、賃貸事業も同様に楽しむことを重要視する。

オーナーinterview

老朽化と相続対策で建て替え
電気工事会社ならではの工夫で賃料倍に

髙橋勲オーナー(58)(東京都福生市)

 アールシーコアに依頼し、ログハウス型の賃貸併用オフィスビルを建てたのが髙橋勲オーナー(同)。物件名は「ブルビーチビル」。すべて1LDKの8戸建てでJR青梅線牛浜駅から徒歩1分の立地にある。
 自身が経営する電気工事会社の純電工の本社兼賃貸住宅として2023年12月に竣工し、1階は事務所と資材倉庫、2~3階は居住用賃貸住宅。日本初となる、防火地域でCLT(直交集成板)ログハウス工法を用いた物件だ。CLTとは、木の板を繊維方向が直角に交わるように重ねて接着したパネル型の建材で、中規模以上の施設における木造建築を実現する。施工の早さや断熱性の高さなども特徴だ。CLTを積み上げるログハウス工法を実施し、防火性能も備える。
 建て替え前は純電工のオフィスビルとしてのみ活用していた。物件の老朽化と資産相続に関する話題が出たため20年に建て替えを決意したという。
 「元々小学生時代から現在までボーイスカウトに携わっており、ログハウスに対する憧れがありました。BESSさんから紹介された入間市のログハウスを見学した後、BESSに建築設計をお願いしました」(髙橋オーナー)
 建築設計時、髙橋オーナーは同物件に電気工事会社としての知見を落とし込んだ。「当社は超高層ビルやレジデンスの電気工事を行っています。大手不動産デベロッパーが手がける高級レジデンスのエッセンスを自分の物件にも入れてみたのです」(髙橋オーナー)
 具体的には、全熱交換器や太陽光発電設備、蓄電池、デジタルサイネージなどを導入。省エネルギー設備を投入し、入居者が快適に暮らせるように工夫したという。
 同物件は3カ月間募集をかけ、現在は満室稼働している。単身女性や、周辺に米軍横田基地があるため米軍関係のカップルが入居中だ。家賃は周辺相場の2倍となる9万5000円から14万円ほど。家賃が高くとも入居付けができたのは、ログハウスであることや生活利便性を高める設備を導入したことで、ほかの賃貸物件との差別化に結び付いたからだと捉えてるという。
 「一般的なRC造ではなく、木造建築を選択して良かったと感じています。助成金制度をうまく利用することで、建築費を大幅に抑えることができました。加えて木材は原価償却期間が22年と早いため、節税効果も向上すると見込んでいます」(髙橋オーナー)

 

(2026年3月号掲載)

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