エリア別で考える土地活用、東海エリアの新築状況は?

土地活用賃貸住宅

 世界規模で目まぐるしく変化する社会情勢の影響を受け、建築費の上昇や人手不足の傾向に終わりが見えません。そうした中、長期的に安定して賃貸経営を行っていくためには、事業環境の分析はもとより、周辺の競合物件の状況や賃貸ニーズの有無なども事前にしっかり把握・検討しておくことが重要です。

 そこで、国土交通省の「建築着工統計調査報告・住宅着工統計」で、2024年に東海エリアにおける貸家(賃貸住宅)の新築着工数をみることで、同エリアの賃貸市場の状況を探ります。

東海エリアでの土地活用、新築着工総戸数の3戸に1戸が賃貸住宅

 国土交通省では建築基準法に基づき、全国の建築物の建設の着工状況を明らかにするため建築主から都道府県知事に提出される建築工事届を集計し「建築動態統計調査」として毎月公表しています。その中で、特に新たに建築された住宅に関する調査結果をまとめたものが「住宅着工統計調査」です。

 同調査結果によると、東海エリアで24年に着工した賃貸住宅は3万1192戸。同エリアの新築着工総戸数9万1602戸のうち34.1%、およそ3戸に1戸が賃貸住宅でした。

 東海エリアにおける構成割合では、愛知県が63.7%で最多。次いで静岡県、岐阜県、三重県の順番となりました。

岐阜県では新築賃貸住宅での土地活用が前年度比11.9%増

 24年の賃貸住宅着工数が2740戸で、東海エリアにおいては3番目の多さだった岐阜県。前年比との比較では11.9%増と、同エリアで唯一の増加となりました。岐阜県の新築着工総戸数8887戸に占める割合では30.8%でした。

 また、賃貸住宅の構造別に見ると、木造が61.8%を占め最多、次いで鉄骨造が32.0%、鉄筋コンクリート造が6.2%の順となりました。

 建て方別の内訳は、長屋建てが62.7%、共同住宅は33.1%、一戸建てが4.2%でした。

愛知県の新築賃貸住宅での土地活用、木造と共同住宅がそれぞれ半数を占める

 東海エリアで最も構成割合が多かった愛知県の24年における賃貸住宅着工数は、1万9877戸。同エリアで唯一1万戸を超えたものの、前年比では1.0%の減少でした。愛知県の新築着工総戸数5万6119戸に対して35.4%という構成割合となっています。

 賃貸住宅の構造別では木造が9477戸で、約半数となる47.7%を占めました。次いで鉄筋コンクリート造が29.5%、鉄骨造が22.8%の順でした。

 建て方別を見ると共同住宅が67.5%となる1万3413戸で最多。次いで長屋建てが30.4%を占め、一戸建てが2.2%に止まっています。

静岡県の新築賃貸住宅での土地活用、木造と鉄筋コンクリート造が3.2ポイント差

 静岡県の24年の賃貸住宅着工数は6157戸で、東海エリアで19.7%を占める2番目の多さとなりました。静岡県の新築着工総戸数1万8845戸のうち32.7%を占めています。

 構造別の内訳を見ると、木造が37.9%で最多、次いで鉄筋コンクリート造が木造と3.2ポイントの差で34.7%となりました。以下、鉄骨造が26.6%、鉄骨鉄筋コンクリート造が0.8%の順となっています。東海エリアで24年に鉄骨鉄筋コンクリート造の賃貸住宅の着工があったのは静岡県のみでした。

 建て方別では共同住宅が62.6%、長屋建てが35.8%、一戸建てが1.6%となりました。

新築賃貸住宅での土地活用に勢いがない三重県

 24年の賃貸住宅着工数が2740戸で東海エリア最少戸数となった三重県。前年度比でも30.5%の減少となりました。三重県の新築着工総戸数7751戸における構成割合では31.2%でした。新築着工総戸数も前年度比16.0%の減少となっていることから、三重県の人々は建物を新築することに慎重になっていると言えるかもしれません。

 構造別内訳を見ると、木造が51.6%と半数を超え最多、次いで鉄骨造が26.3%、鉄筋コンクリート造が22.1%となっています。

 建て方別で最多となったのは共同住宅で58.6%、長屋建てが40.0%、一戸建てが1.4%でした。

東海エリアの新築賃貸住宅の傾向を知って、納得のいく土地活用を

 東海エリアで最も賃貸住宅の新築着工戸数が多かった愛知県ですが、前年比では1.0%の減少となっていることから、賃貸ニーズの把握や市場動向に注意を払う必要がありそうです。一方、東海エリアで3番目の賃貸住宅着工戸数となった岐阜県ですが、同エリアで唯一の前年比増加だったことから、賃貸市場の拡大傾向が見てとれます。

 構造別では、すべての県で木造が最多となりました。各県で鉄骨造と鉄筋コンクリート造がそれぞれ2~3割を占める中、静岡県でのみ鉄骨鉄筋コンクリート造の着工がありました。

 建て方別の内訳を見ると、長屋建てが最多となったのは岐阜県のみで、それ以外の県では共同住宅が最多でした。また共同住宅が7割を超えた県はありませんでした。

 賃貸住宅を新築で建てるには多額の費用が必要となります。だからこそ、後悔しない不動産投資を実現するために、活用を考えている土地の周辺エリアの特性や市場動向をしっかり把握しておきましょう。
(2026年3月19日更新)

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