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ホテリエ ホテル・民泊の運営代行サービスを展開

 宿泊施設の運営代行を行うホテリエ(福岡市)は、「ホテル・民泊運営の完全丸投げサービス」を展開している。宿泊需要が高まる中、土地・不動産オーナーの収益改善を支援する。

ホテリエ
(福岡市)笹栗泰典社長(59)

経費削減と高稼働率を実現したホテル運営

 ホテリエは2022年6月に設立された。インバウンド(訪日外国人)の宿泊需要回復に伴い、23年5月より運営受託サービスを開始。ホテルや民泊を開業したいオーナーに対して、開業前のコンサルティングから開業後の支援までを行う。

 4月15日時点で、東京都、福岡県、宮崎県、鹿児島県の50施設820部屋以上のホテル運営を受託している。笹栗泰典社長は「開業前に収益化のシミュレーションやリノベーションの提案、認可の取得などを行います。

 開業後は宿泊サイトへの情報掲載や宿泊者の管理、リネンやアメニティーの交換、補充などを当社が行うので、オーナー自身がホテル・民泊運営について手を動かす必要はありません」と話す。開業後もコンサルティングチームの担当者が、毎月オーナーに対して収支報告や宿泊客からの口コミ、改善点のフィードバックを行う。

 オーナーは売上高の20%の手数料のほか、リネン交換などにかかった費用をホテリエに支払う。オーナーが自分で民泊を開業した場合、リネンやアメニティーの交換に専門事業者を利用しようとすると、運営する部屋数が少ないため料金が高くなりがちだ。800室を超える部屋を運営するホテリエを経由することで、費用を安く抑えることができる。

 また、宿泊料金の設定には需要と供給を考慮して価格を変動させる「ダイナミックプライシング」を導入。競合する宿泊施設の稼働状況や価格設定をホテリエの社員が確認し、毎日適切な価格に変動させることで稼働率を高める。

▲賃貸マンションの1室をホテルにリフォームした事例

宿泊ニーズの高い地域の収益改善に活用

 「30室ある賃貸マンションのうち、5室だけをホテルとして運営しているオーナーもいます。ワンルームだとターミナル駅に近くても空室が発生してしまうことがありますが、空室になりがちな部屋だけをホテルに変更することで、マンション全体の稼働率を高めます」(笹栗社長)

 同サービスでは、賃貸マンションの一室をホテルとして運営することが可能だ。宿泊ニーズの高い地域では、賃貸経営をしていたときに比べ収入が2倍以上になったオーナーもいるという。

 「宿泊需要の急激な高まりにより、ホテルや民泊運営に関心を持つオーナーが増えています。一方で、運営ノウハウがなく手を出しづらいという声も聞かれます。ノウハウをオーナーと共有しながら、ホテルや民泊として土地や物件の活用ができるということを広めていきたいです」(笹栗社長)

(2024年5月号掲載)

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