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賃貸経営イベント

見守り・生活支援付き高齢者住宅が始動
キックオフイベントに145人参加

 高齢者の困り事にワンストップで対応するサービス「まごころサポート」を展開するMIKAWAYA(ミカワヤ)21(東京都荒川区)は7月11日、東京都内でイベント「人生100年時代の暮らしを支える“不動産業”のニュースタンダード会議~感謝されながら稼ぐ、持続可能なまちづくりとは~」を開催した。

▲登壇者らと記念撮影するMIKAWAYA21の青木氏(前列中央)、エンジョイワークスの福田氏(前列右から2番目)、ジーバーの永野氏(前列右から1番目)

 MIKAWAYA21が全国展開を目指す、高齢者を対象にした見守りと生活支援が合わさった「まごころアパート」事業のキックオフイベントで、不動産事業に携わる事業者らへの認知を図ったもの。同事業に参画する、不動産・建築事業を行うエンジョイワークス(神奈川県鎌倉市)と高齢者の雇用創出を手がけるジーバー(仙台市)との共催で、会場には不動産業や建設業、リフォーム業の関係者や家主ら30人が参加したほか、115人がオンラインで視聴した。

 まごころアパートは高齢者向け賃貸アパートで、Wi-FiセンシングというIoTを活用した見守り機能を備え、入居者同士のコミュニティー創出を図ることが特徴。それに加えて、電球の交換や重い物の移動、庭掃除など高齢者の生活上の困り事をサポートする「コンシェルジュ」の居住スペースも確保する。MIKAWAYA21とエンジョイワークスが連携して企画したもので、2022年12月には国土交通省の「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」に採択された。

 これにジーバーも参画し、地域の高齢者に弁当製造や配送の仕事を創出する同社のサービス「ジーバーFOOD(フード)」における調理作業を、まごころアパート内に設けるコミュニティーキッチンで行えるようにする。

 まごころアパートには地域の高齢者支援の拠点としての機能も持たせる。3社は、まごころアパートを50~60戸が立つ住宅地に一つの割合で展開させる考えで、全国への拡大を目指す。

事業の将来性を識者らが語り合う

 イベントの第1部では、まごころアパート事業に関わった企業幹部らによるトークセッションがあり、同事業の概要が紹介された。まごころアパートはモデル物件が横浜市内で今秋に完成予定で、設計したオンデザインパートナーズ(横浜市)の西田司代表取締役が建物の特徴について講演した。
 第2部では、まごころアパートの今後について、全国各地でまちづくりに関わる有識者と不動産業界の有識者が2組に分かれてトークセッションを行った。そこでは「高齢者に加えて若い世代も関わらせて、多世代の交流を促してはどうか」「多様な価値観を求める高齢者にどう対応するか」「地域の新しい交流の場、関係性づくりの可能性を深掘りしてほしい」「社会に貢献したがっている家主もいる」など、さまざまな意見が交わされた。MIKAWAYA21の青木慶哉代表取締役は「登壇者の皆さんからの意見で、勇気をもらえました」と話した。

トークセッション・講演登壇者 (順不同・敬称略)

おきでんCplusC
ゼネラルマネージャー 上原康志
ジーバー代表取締役 永野健太
物件王代表取締役 藤井達朗
MIKAWAYA21社外取締役 平川健司
エンジョイワークス代表取締役 福田和則
MIKAWAYA21代表取締役 青木慶哉
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授
佐藤大吾
umari代表 古田秘馬

一般財団法人住宅改良開発公社
住まい・まち研究所所長 松本眞理
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所 岡崎卓也
一般社団法人リノベーション協議会会長
内山博文
国土交通省住宅局 安心居住推進課
横田圭洋
オンデザインパートナーズ代表取締役 西田司
全国賃貸住宅新聞社取締役・
地主と家主編集長 永井ゆかり

(2024年10月号掲載)

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