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物件の瑕疵調査を代行する新サービス

マテバ

 入居者マッチングサイト「入居者スカウトのマテバ」をはじめとした不動産業向け支援サービスを展開するマテバ(東京都渋谷区)は2024年11月8日、「マテバの物件調査代行」を開始した。同サービスの詳細や提供を始める思いについて、筒井太一朗社長に聞いた。

マテバ(東京都渋谷区)
筒井太一朗代表取締役社長(45)

個人間取引でトラブルを回避 資産管理会社の組成にも

 今回、マテバが新しく展開するマテバの物件調査代行は、同社がオーナーに代わって、物件の瑕か疵しについて調査を行うサービスだ。不動産仲介会社を挟まずに、個人間や親族間で売買取引を行う場面では、さまざまなトラブルがつきもの。同サービスはそのようなトラブルを回避するのに役立つ。このサービスは、オーナーが資産管理会社を組成する際に活用することを想定している。さらに、弁護士が不動産売買の契約書を作成する時や、金融機関に物件の調査を求められた場面でも利用可能だ。

宅建士が現場で調査 報告書を約1週間で作成

 調査を代行する際には、主に四つの調査を実施する。  

 一つ目は「現地調査」だ。宅地建物取引士の資格を持つプロフェッショナルが実際に現場を訪れ、建物の状態のほか接道や境界線、近隣施設の状況を目視で確認する。

 二つ目は「法務局調査」。法務局で登記簿謄本や公図データを取り寄せ、抵当権などの権利状況を調査する。

 三つ目は「役所調査」で、対象物件を管轄する行政に赴き、対象物件の建築基準法や都市計画法による制限状況を確認する。現地調査の結果を照らし合わせて再建築が可能な物件かどうかを確かめる。

 四つ目は「インフラ設備調査」。電気や上下水道、ガスなどのライフラインの整備状況をチェックする。

 これらの調査結果を基に、同社が重要事項説明書に準ずるレポートを提出する。依頼から提出までにかかる期間は東京都内の物件の場合、約1週間。金額は19万8000円だ。売買契約書や重要事項説明書の作成も含めた場合、30万8000円(いずれも税込み)となる。オプションでは土地家屋調査による境界確認や専門家による建物診断を用意する。調査対象が賃貸物件をはじめとした収益物件である場合や、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)以外の物件では別途費用が発生する。

「オーナーの課題に寄り添う」思いを胸に事業を展開

 同社が今回、マテバの物件調査代行を開始した背景には、オーナーが抱える課題を解決したいという思いがある。

「ここ最近の相談では、個人間での不動産売買において、事前に説明されていた内容では不十分で、多額の損害が発生した結果、訴訟に発展してしまったケースなどがあった。また、資産管理会社を設立したいが、税理士や管理会社からのバックアップが足りないといった相談も増えている」(筒井社長)

 さらに同社では、自主管理オーナー向けに入居者や取引先が反社会勢力でないかを調査する「マテバのリスク調査チェック」も提供している。個人で行うには限界がある「調査」をマテバが代行する形で、オーナーの賃貸業を支援していく。

(2025年 2月号掲載)

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