不動産賃貸で取引先との関係性が強固に

賃貸経営不動産投資

<<本業と不動産経営のシナジーを考える>>

賃貸住宅向けインターネット事業を展開
不動産賃貸で取引先との関係性が強固に

賃貸住宅9万戸にインターネット回線を提供するレジデンシャルインターネット(東京都港区)は、2020年に不動産賃貸事業を開始した。以来5年に物件を買い進め、現在は賃貸住宅9棟、ビル1棟を所有しており、入居率は平均95%超で、年間6000万円の家賃収入を得る。同社の竹内敬人社長に、賃貸経営に対するこだわりとネット事業との相乗効果について聞いた。

レジデンシャルインターネット(東京都港区)
竹内敬人社長

きっかけは資材置き場探し

 同社が、賃貸住宅を保有するきっかけになったのは、資材置き場として使うビルの購入だった。JR総武線浅草橋駅が最寄り駅の敷地15坪に立つ5階建てのビルで、建物の古さから金額はほぼ土地値に近い4000万円。物件価格が安かったことと資材を置くだけの利用で古さは気にならなかったため、購入を即決した。

 ところが、契約直前に横浜市のふ頭に停泊していた大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナウイルスの集団感染が発生。「不安を感じながら契約書に判を押した」と竹内社長は当時を振り返る。

 そんなスタートではあったが、これがきっかけとなり、竹内社長の意識は不動産購入に向き始めた。

 折しも、取引銀行の系列の不動産会社から都営地下鉄浅草線蔵前駅より徒歩2分の好立地物件を紹介された。高齢女性が住んでいた古い一軒家の売却情報だった。土地は20坪の角地で価格は5000万円。「これは買いだ」と購入し、同物件を解体して賃貸マンションを建築することにした。22年に竣工した同マンションは、ネット事業で取引のある建築会社数社に声をかけて見積もりを取り建築。利回り7%の高収益物件となった。

 蔵前の物件の成功で賃貸経営の魅力に気付いた竹内社長。その後、不動産情報サイト「at home(アットホーム)」に会員登録し、不動産情報をチェックするのが日課となった。コロナ禍真っただ中で世の中が五里霧中の状態だった20年、21年は、掘り出し物件が舞い込んできた。JR中央線四ツ谷駅徒歩6分の4階建て賃貸マンションは1億円、東京メトロ銀座線日本橋駅前の4階建て1棟ビルは1億1000万円で購入できたという。いずれもコロナ禍前には3~5割高でないと取得できなかった物件だ。しかも特別なルートではなく、アットホームで見つけた。現在は購入時の2・5倍の価格になっている。

 その後、竹内社長の出身地である東京都八王子市の賃貸住宅、静岡県熱海市の賃貸マンションも好条件で取得した。さらには山梨県の富士河口湖エリアに5カ所別荘地も購入した。

(2025年8月号掲載)
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独自の条件で物件選び、自社商品を設備として導入

 

会社概要

レジデンシャルインターネット(バトラーズ グループ)
創 業:2003年(設立:2010年)
従業員:70人(グループ全体)
事業内容:不動産オーナー・管理会社向けブロードバンド回線の提案・工事・コールセンター・保守サポート、監視用ネットワークカメラの提案・工事・保守サポート、賃貸住宅・集合住宅のインターネットに関するサービス全般
グループ会社:リブリメイク(賃貸住宅リノベーション事業)
トラストインフィニティー(マンスリーマンション運営)

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