地元オーナー発信―人口構成変化に合わせた賃貸経営(福岡)

賃貸経営トレンド

福岡|人口構成の変化に合わせて対応する賃貸経営

𠮷原勝己オーナー

 人口増加イコール賃貸経営は安泰、と考えていいものでしょうか?

 総務省が発表している「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」では、2019〜24年の5年間で東京都の総人口は約1・2%の微増です。しかし、数字をよく見てみると、0~14歳の年少人口は減り続け、都の人口構成比では25年1月1日時点で約11%。一方で65歳以上の人口は同日時点で約23・4%を占めており、この数字はほぼ毎年増え続けています。

 人口増加が続いてきた福岡市も同様です。65歳以上の人口比率は近年では22%台で推移してきましたが、今後はさらなる上昇が見込まれています。若者に人気の福岡市においても、世代構造のひずみは進行しているのです。

 この現実を見ずに、表面的な人口増加や都市人気だけで判断する賃貸経営は、大きなリスクを孕(はら)むでしょう。特にファミリー向け・新築志向だけでは将来の需要の変化に対応することはできないと考えます。

 今後、高齢者や単身層にも選ばれるためには「柔軟な間取り・配慮された契約・地域との関係性」を考慮した住まいづくりが不可欠となります。人口の「量」ではなく「質」に目を向ける経営が、これからの時代の勝ち残りを左右することになりそうです。

(2025年11月号掲載)

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