地元オーナー発信―新アリーナ開業で民泊需要(名古屋)

賃貸経営トレンド

名古屋|新アリーナ開業で注目される民泊需要

杉村八千代オーナー

 8月、名古屋市港区の再開発地区「みなとアクルス」内に建設される新アリーナ「(仮称)名古屋アリーナ」の着工が発表されました。2028年初頭に開業予定です。

 約1万人を収容するこの多目的アリーナは、プロバスケットボールのBリーグチーム「ファイティングイーグルス名古屋」の新たな本拠地となるだけでなく、コンサートや企業の展示会など多彩なイベントの拠点として期待されています。アリーナの年間稼働日数を仮に150日、1日の平均来場者数を6000人とすれば、延べ動員数は約90万人規模。特に遠方から訪れる音楽ファンやスポーツ観戦客の宿泊需要は大きいものになるでしょう。

 これまで港区周辺では宿泊施設が限られ、名古屋駅付近や中区栄地区に依存する傾向がありました。しかし、アリーナ来場者の波が定着すれば、駅近や住宅地を活用した民泊の存在感が高まるでしょう。観光庁によれば、全国でも民泊届け出住宅数は18年の約2000件から25年には3万件超へと拡大しており、都市型イベント需要を背景に着実な成長を遂げています。

 名古屋アリーナは単なるスポーツ施設ではなく、宿泊・商業・観光ニーズをつくり、民泊を活性化させ、港区の賃貸需要を押し上げていくのではと注目しています。

(2025年12月号掲載)

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