地元オーナー発信―IRで不動産市場が活性化(大阪)

賃貸経営トレンド

大阪|IRで不動産市場が長期的に活性化

加藤 薫オーナー


 10月に大阪・関西万博(以下、万博)が閉幕しました。地域の不動産市場や観光業界の関心は、次の大規模プロジェクトである統合型リゾート(IR)へと移行しています。

 万博では都市への注目度が高まり、大型複合施設「グラングリーン大阪」の開業や鉄道延伸といったインフラ整備が加速。観光・宿泊需要を押し上げる要因となりました。一方で、IRはホテルや国際会議場、商業施設といった恒久的な都市機能を備え、事業規模も万博を上回っています。

 実際に大阪市では、ベイエリアを中心にホテルや商業施設の開発が加速しており、国際会議や観光需要に対応する都市型不動産への期待が高まりつつあります。そして、宿泊施設や住宅への需要が拡大することで、大阪圏全体の不動産市場は活発化するのではないでしょうか。またこうした開発・運営に伴う雇用ニーズの高まりは、近隣の住宅市場にも良い影響を及ぼすと予想されます。

 万博が都市を一時的に活性化させる「きっかけ」であったのに対し、IRは地域を長期的に温め続ける「炉」として、不動産市場を支える存在となるでしょう。今後も新しいインフラや再開発の動きに注目し、賃貸市場の動向を注視していきたいと思います。

(2025年12月号掲載)

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