地元オーナー発信―建築単価高騰と向き合う(沖縄)

賃貸経営トレンド

沖縄|建築単価高騰と向き合う賃貸経営

仲田哲善オーナー


 8月に発表された東京商工リサーチ(東京都千代田区)沖縄支店の調査によると、2024年度の沖縄県内建築単価は、1坪あたり約98万6000円でした。坪単価100万円超は目前となり、前年度比12・7%増と過去最高を更新しています。居住用も10%増の1坪あたり約88万3000円で12年連続の上昇です。その影響もあり建築棟数は5・2%減の4944棟となり、10年ぶりに5000棟を下回りました。

 県内においては、全域的に家賃が上昇傾向ではあるものの、新築住宅における投資回収は難易度が高まり、賃貸経営は厳しさを増しています。オーナーには市場動向を踏まえた戦略的な判断が求められます。金融機関や不動産・建設事業者など専門パートナーから常に最新情報を収集し、緻密な収支計画を立てることが不可欠です。

 それに加えて、中古物件のリフォームやリノベ、さらには空き家の活用にも目を向けることが重要だと考えます。これにより、初期投資を抑えながら地域の賃貸需要に応えることができ、社会的課題である空き家の解消にもつながります。建築単価の高止まりが続く今こそ、柔軟な発想と工夫で経営改善を図り、空き家活用と併せて、次の成長の道を切り開いていきたいと思います。

(2025年12月号掲載)

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