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<<築30年超えでも賃料アップ 賃貸リノベ解体新書>>
和室のある築 年のファミリー向け物件
素材にこだわった大人の部屋へと進化

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JR総武線稲毛駅から徒歩 分の「稲毛コーポビアネーズ」。築48年になる物件の一室が2025年8月、フルリノベーションによって生まれ変わった。
リノベを担当したのはエールテック(千葉県八街市)の佐藤克憲社長。「リフォームをしてきれいに保っていた部屋ではありましたが、入居者の入れ替わりも多くそのたびに空室期間ができていました。そこで長期入居につながる部屋をと考えました」と振り返る。
「週末のみパートナーと過ごす単身男性」をペルソナ設定に据え、男性がひとり時間を楽しめる空間を念頭にリノベを進めた。リノベ前は和室を含む3LDKだったが、 18畳超のLDKと寝室、ウオークインクローゼットに間取り変更をした。

特に目を引くのはキッチンだ。カウンター下は、鉄骨がむき出しのコンクリートの断面を見せた。男性入居者向けにコンクリートや鉄骨を用いただけでは印象が冷たくなる。「家」というほっとできる場所にしたいと考えた佐藤社長は、作り付けの棚や柱には古材を用いた。
「この古材に入居者が住んでいた跡が刻まれれば、それは物件の味わいになると考えます」と佐藤社長は話す。経年劣化ならぬ「経年美化」を楽しめる物件にしたいという思いだ。また圧迫感を軽減するために、仕切り扉はガラス張りにし、室内窓も作り付けた。
閑散期ではあったものの、1週間でペルソナ設定どおりの単身男性が入居した。家賃は75%アップの12万3000円だ。
「単に『白い』部屋だと築古物件ではなかなか選んでもらえません。ここに住みたいと思える強い色を押し出せたリノベになったといえると思います」(佐藤社長)
施工会社
エールテック(千葉県八街市)
佐藤克憲社長

(2026年 1月号掲載)






