自分に合うものを探す

コラム永井ゆかりの刮目相待

<永井ゆかりの刮目相待:5月号>

連載第104回 自分に合うものを探す

時代の変化と新商品

 最近、不動産オーナー向けの商品やサービスを提供している会社を取材する機会が多い。こうした企業を回ると、時代が変わればニーズも変わると実感する。さまざまな土地活用商品やバリューアップ商品が登場して、取材していても楽しい。

 例えば、今号で紹介している大和ハウスパーキングの洗車場もその一つ。これまで洗車する場所といえば、ガソリンスタンド内にある洗車機や自宅の敷地内などが多かっただろう。だが、近年はガソリンスタンドの減少や近隣への配慮から、洗車できる場所が減っており、「洗車難民」などという言葉も出てきている。こうした時代背景に呼応するように現れたのが、洗車場だ。同社以外でも土地活用としての洗車場を提案する企業はあるが、いずれも事業を開始して5年未満。これから成長が期待できる事業といえる。

 カーシェアリングサービスにも注目したい。カーシェア自体は20年以上前からあるビジネスだ。近年はシェアモビリティが普及し始めており、その流れの中で、カーシェアも利用者が増えている。特に大都市圏の駐車場代は高く、車を所有するコスト負担も大きくなっている。

 そうした中で、カーシェアのステーションが部屋探しの際の一つの条件になりつつあるという話を聞いた。確かに週末にカーシェアをよく利用するという知人に聞くと、自宅の近くにあるかどうかは結構ポイントが高いという。カーシェアを使い家族で遠出をして疲れて帰って来た時に、すぐに戻せるステーションが近くにあるメリットは大きいだろう。

 ほかに以前からあるサービスでニーズが拡大しているものといえば、トランクルームもある。トランクルームも今号に記事を掲載しているが、住宅の販売価格が上がっている中で、購入できる住宅の面積が縮小化。その時代背景の中で、ニーズが増大している。

ニーズは同じではない

 だが、時代の流れとはいっても、その傾向が全国どこでも同じであるか、というと当然ではあるがそうではない。

 例えば洗車場の場合、車の保有率が高い地域であれば、稼働率は高く収益性も見込めるが、そうでないエリアでは簡単にはいかないだろう。カーシェアにしても、車が「足」になっているような、電車やバスなどの交通インフラが整備されていないエリアでは難しいといえる。逆にトランクルームは住宅価格がそれほど高騰していない地方都市や郊外であれば、ニーズは限定的だろう。

 一方、ニーズはあるけれど、不動産の立地や建物構造に問題を抱えている場合もある。その点についてはすぐにあきらめず本当に解消できないものなのかを検証することも重要だ。

 不動産オーナーがこれから所有する不動産の活用法を考えるときに、アンテナを張って多くの情報を集めることが大切なのは間違いない。その際に、自身の所有不動産に合った活用法なのかを見極める力こそ、必要不可欠だろう。


永井ゆかり

永井ゆかり

Profile:東京都生まれ。日本女子大学卒業後、「亀岡大郎取材班グループ」に入社。リフォーム業界向け新聞、ベンチャー企業向け雑誌などの記者を経て、2003年1月「週刊全国賃貸住宅新聞」の編集デスク就任。翌年取締役に就任。現在「地主と家主」編集長。著書に「生涯現役で稼ぐ!サラリーマン家主入門」(プレジデント社)がある。
(2026年 5月号掲載)

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