【連載】海外各都市の不動産投資:マレーシア・ペナン島:7月号

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マレーシア・ペナン島の不動産事情

外国人が土地購入可能

 マレーシア北部、マレー半島西側のマラッカ海峡に位置するペナン島。同国内で最も産業が発展し、所得水準も高い地域です。対岸のマレー半島とは2本の橋で結ばれ、フェリーでの往来も盛ん。ペナン島を含むペナン都市圏は首都クアラルンプールに次ぐ第2の都市で、その人口は170万人を超えます。

 同都市圏の中ではペナン島が圧倒的に発展しており、主要都市のジョージタウンやペナン国際空港も島内にあります。ペナン島の面積は300㎢に満たず、東京23区の約半分です。山がちで、環境保護規制も厳しく、住宅用地が圧倒的に足りません。ペナン島の沖合に人工島をつくって宅地分譲するほど、土地不足が深刻です。土地が希少で価値が上がりやすく、不動産投資に適した場所だといえます。

 マレーシアは東南アジア新興国で唯一、外国人が土地の所有権を取得できる国です。ただし、地元購入者保護の観点から、外国人購入者に対しては最低購入価格規制を設けています。その価格は地域ごとに異なりますが、ペナン島は同国内で一番高い場所です。土地付き住宅の最低価格は、中古で300万リンギット(約9600万円)、新築で150万リンギット(約4800万円)。クアラルンプールでも100万リンギット以上なので、いかにペナン島の土地価値が高いかがわかります。

▲ビルが立ち並ぶペナン島中心部

土地付き戸建ての期待大

 私は3月中旬にペナン島を訪れ、外国人が購入できる最低価格ぎりぎりの、5000万円程度の新築土地付き戸建てを見に行きましたが、とても素晴らしい物件でした。ペナン島の中心地から車で約20分、ビーチリゾートかつ良質な住宅地として知られるバトゥフェリンギ地区の、風光明媚なリゾートホテルや海を見下ろす高台に所在。

 約50坪の土地と、建坪が90坪超。RC造の3階建て、5ベッドルーム、5バスルーム、2台分の駐車場。日本の都市部でこのスペックの新築住戸を買おうとしたら、5000万円では到底買えないでしょう。同地区とペナン島中心地を結ぶ新しい道路も完成する予定で、今後さらに値上がりする可能性が高いと感じました。

 同国での不動産投資で財を成した現地の友人は、ほぼ例外なく、土地付きの物件を所有しています。日本国籍でも同国の所有権付きの土地を買うことができるので、ペナン島をはじめ伸びしろの大きい物件は注目です。


PROFILE
アジア太平洋大家の会
鈴木 学代表

海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。

(2024年7月号掲載)

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