【連載】海外各都市の不動産投資:アメリカ・グリーンビル:6月号掲載

賃貸経営不動産投資

アメリカ・グリーンビルの不動産事情

外資進出により人口増加

 米国の南東部に位置するサウスカロライナ州のグリーンビル。その広域都市圏人口は約130万人です。近年は経済成長と人口増加が顕著な都市として存在感を高め、全米の不動産投資家から注目されつつあります。

 グリーンビル周辺にはフランスを本拠とするタイヤメーカーのミシュランの北米本社や、ドイツの自動車メーカーBMWの基幹工場に加え、日系企業の帝人、東レ、三菱ケミカル、日清食品などが続々と進出しています。それに伴い世界各国の駐在員やその家族が移住してくることで、グリーンビルは従来の田舎町から国際都市へと急変貌を遂げようとしています。

陸路で大都市にアクセス

 グリーンビルの特徴は、産業立地として極めて恵まれていることです。グリーンビルは米国南東部の二大都市として急成長中のジョージア州アトランタ (都市圏人口610万人)と、ノースカロライナ州シャーロット(同270万人)のちょうど中間に位置します。インターステート・ハイウエー85号線を使えば、両都市へ2時間程度で到達できる「地の利」があります。

 それに加えて、生活コストが比較的安価であること、また過ごしやすい快適な気候であることなど、移住者に喜ばれる要素がそろっています。

▲グリーンビルの土地付き戸建て住宅

賃借人多く賃貸経営向き

 グリーンビルの住宅ストックは、築年数の平均が約41年です。しかし、新築戸数を見ると、2010年以降が最も多くなっています。それだけ多く建てていても住宅不足が続いており、近年のグリーンビルの人口増加の激しさを物語っています。

 また、流入人口が多いために賃借人比率が57%を占めていることから、グリーンビルは極めて賃貸経営に向いた都市であるといえます。

 グリーンビルの標準的な住まいは、土地付きの戸建てです。平均価格は約33万5000ドルで、昨今の高金利の環境下でも着実に上昇しています。

 不動産投資をするならグリーンビル中心地のほか、近郊都市のグリア、シンプソンビルといった学区スコアのいいエリアで、戸建てを購入するのがおすすめです。手堅く賃貸経営を行いながら、値上がり益を狙うというのが良さそうです。

アジア太平洋
大家の会
代表 鈴木 学

PROFILE
海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。

(2024年6月号掲載)

次の記事↓
【連載】海外各都市の不動産投資:マレーシア・ペナン島:7月号

一覧に戻る