越野建設
楽器の演奏が可能な賃貸マンション
住宅やオフィスビルなどの建設を行う越野建設(東京都北区)は、楽器の演奏が可能な「音楽マンション」の建設を行う。物件の付加価値を向上させ競争力のある賃貸マンションの提供を目指す。
独自工法で遮音性強化 貸し音楽スタジオ併設も
▲共用スペースに設置した音楽スタジオ
音楽マンションは、水分量の少ないコンクリートに、通常より多くの振動を加えることで密実性を高めた独自の「結晶化コンクリート」を使用している点が特長だ。耐久性が高く、気密性、遮音性などに優れている。密度が高いことから、内部に水分や有害物質が浸透しづらく、劣化も抑制する。
防音専用の二重サッシや二重天井、二重床、機械換気装置などを使用し、遮音性能を強化。快適な音楽環境を実現している。
楽器演奏が可能な貸し音楽スタジオを共有スペースに設けている点も特長だ。スタジオにはピアノを設置。グループでの練習にも活用可能だ。音楽マンションのうち、スタジオが併設されている5棟では、スタジオの稼働率が高く、居住スペースとして賃貸に出すよりも収益性が高いという。
54棟1100戸を展開 入居待ち登録1000人超
同社は音大生向けに防音の賃貸住宅を建設したいというオーナーからの相談を受け、2012年に音楽マンションの建設を開始した。24年5月末時点で54棟、約1100戸を1都3県(東京、神奈川県、埼玉、千葉)で展開している。部屋のタイプは単身者向けの1Kが中心だ。
入居者の約8割が趣味で音楽を楽しむ社会人だ。空き部屋をメールや「LINE」で知らせる「音楽マンション倶楽部」には1000人超が登録。同社企画開発部の土屋貴之マネージャーは「演奏するためにスタジオを借りると、毎月相応の金額がかかる。自室でいつでも演奏することができる音楽マンションにすることで、相場賃料から8000〜1万円アップが可能」と話す。
23年度は4棟が竣工。そのうちの一つ「ブリランテ滝野川」は24年1月に竣工した。JR京浜東北根岸線王子駅から徒歩11分の場所に立つ物件で、完成後1カ月で満室となった。
▲ブリランテ滝野川の外観
(2024年8月号掲載)
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