オーナー活動通信

賃貸経営空室対策

長年賃貸経営に取り組んできたベテランオーナーたち。所有物件や地域における新たな活動を紹介する。

ボルダリングや映画観賞ができる 人気の共用スペースを増設

 池上正芳オーナー(世田谷区)の所有する「百合ヶ丘池上マンション」は、小田急小田原線百合ヶ丘駅から徒歩7分の場所にある。4階建て41戸、外見はごく普通の建物だ。だが、周辺家賃相場が4万円台の中で、ワンルームの間取りでありながら、7万円前後の賃料を実現している。高めの家賃設定でも空室が埋まる理由の一つは、充実した設備を持つ共用部の存在だ。

池上正芳オーナー(63)(世田谷区)

 既存の共用部は「サードプレイス102」と名付けられている。カフェのようなおしゃれな内装が特徴の部屋だ。本棚に並んだ漫画は、サブスクリプションサービスを使い、3カ月に1回、入居者の希望を反映して入れ替わる。人気ブランドのトースターやコーヒーマシンがあり、テレワークや入居者同士のパーティーなど自由に利用することができる。

▲カフェ風の内装のサードプレイス102

 池上オーナーは、昨年9月、居室を改装して共用スペースを増設した。

 新たな共用部は、ホームシアターのスクリーンを備え、映画観賞が可能。ヨガマットの準備もあり、スクリーンで「ユーチューブ」の動画を見ながら運動できる。11月には、ボルダリングができるように壁も改装した。「自分の部屋の中だと体を動かすのに十分なスペースがない。広いスペースで体を動かしたい」という入居者の希望をかなえた形だ。

▲ボルダリングやヨガができる新たな共用部

 改装にあたり、入居者からの意見は百合ヶ丘池上マンションの「LINE公式アカウント」で募集した。「サードプレイス」の漫画のリクエストもLINE公式アカウントで受けつける。「顔が見える大家さん」としてパンフレットにも載る池上オーナー。LINE公式アカウントの利点について、「気軽に回答してもらえるし、お互いのレスポンスが早い」と語った。
 入居者の希望をできる限り反映することで、物件の価値を高めている。

 

家主目線のリフォームを行う 「03工務店」が活動開始

 長戸隆彦オーナー(川崎市)は、3棟ある所有物件のリフォームをDIYで行ってきた。2019年から「03(オッサン)工務店」と称し、チームでの施工をはじめた。ほかのメンバーは、同じ川崎市内の越水隆裕オーナーと、建築会社のジェクト(川崎市)事業推進室の小水内公彦室長の2人。長戸オーナーにDIYを教えてくれた先輩たちだ。

長戸隆彦オーナー(46)(川崎市)

 最初はお互いの管理物件での作業を依頼し合っていたが、24年の夏より、ジェクトの仕事を正式に請け負うようになった。1件目の仕事では施工後、13万円から20万円台まで賃料を上げて貸し出すことができた。

 長戸取締役は、「家主目線で必要な分だけの施工を行っている。もちろん専門家に頼むべき仕事はある。それ以外の部分で楽しみながら仕事をしたい」と語る。

▲白い壁に青の建具で統一したDIY済みのキッチン  

▲03工務店メンバー 
左から(越水氏、長戸氏、小水内氏、サブメンバーの矢藤準一氏)

 長戸オーナーがDIYを始めたきっかけは、リフォーム事業者に依頼しても「何か違う」と感じたことだった。こだわりの詰まったリフォームだが、「それをやったから入居が決まるわけではない」という。
 「それでも自分で行動すれば物件に対する愛着が湧くし、行動したことが結果につながると思っている」(長戸オーナー)

(2025年 3月号掲載)

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