仙台|インバウンド伸びるも日本人宿泊者は減少
塩澤俊哉オーナー

仙台市には観光資源が少ない、ということをよく耳にします。そして感覚的には、インバウンド(訪日外国人)はそれほど多くない印象です。
ただ新型コロナウイルス禍を経て、23年のインバウンドの宿泊者数は市の統計データによると33万9000人となり、過去最高を更新しました。県や市による観光振興やインバウンド誘客へ向けた取り組みが功を奏したといえるでしょう。
一方、日本人の延べ宿泊者数は、19年に590万8000人でしたが、23年には566万6000人へと減少しています。
市が22年に行ったオンラインアンケート調査で、主要観光都市19市と比較した際の「ぜひ訪問したい都市」という項目では17位でした。「どんな観光地や観光資源があるか知らない」との回答は20%でほかと比べて最も高く、仙台の観光都市としての知名度不足を浮き彫りにしました。しかし、祭りやイベント、歴史など、住んでいる側からは見えない観光資源が必ずあるはずです。
東北の中でも、同市の冬は雪が少なく夏は暑すぎないため、居住するにも快適な都市だと思います。観光客や長期滞在者の増加に向けて仙台の良さをアピールし、訪れてもらえるような都市になっていくことを望みます。
(2025年 6月号掲載)