地元オーナー発信―ビジネスの力で地域活性化(広島)

賃貸経営トレンド

広島|ビジネスの力で地域活性化を継続中

豊田裕之オーナー

 広島県神石高原町では、公的機関の補助金に頼らない地域活性化が実践されています。中心となるのは、IT企業であるSHIFT(シフト:東京都港区)の丹下大社長が立ち上げたMSERRNT(マサーント:広島県神石高原町)。同氏は自身の故郷である同町で、民間の力と仕組みを生かし、持続可能なまちづくりに取り組んでいます。

 従来の地域活性化は補助金に依存することも多く、一時的な効果にとどまるケースが少なくありませんでした。それに対して同社は、ビジネスとして成立する地域活性化事業を複数展開し、その収益によって人・モノ・資本を循環させているのが特徴です。

 例えば、同町の特産品を活用した焼き肉店事業では、農家に前払いで報酬を支払い、相場に左右されない安定的な経営を支援。また多様な販路を確保し、収益化を図っています。

 さらに後継者不在となったガソリンスタンドを引き継ぎ、キッチンカーやランドリーを併設した複合施設として再生。Z世代の起業家と連携し、空き家や古民家を改修して移住拠点とする取り組みも進めています。同町 のこの事業は、地方における不動産事業の再生、そして空き家問題解決の一つの好例となるのではないでしょうか。

(2025年 9月号掲載)

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