大阪| 交通インフラ整備で活性化される大阪
加藤 薫オーナー

大阪・関西万博(以下、万博)の最寄り駅は、会場に直結する大阪メトロ中央線夢洲駅です。関西国際空港からは約80分、京都や神戸からも約1時間と、良好な鉄道アクセスが人を集めています。
夢洲では、万博終了後も2030年を目標に統合型リゾート(IR)の開業が予定されており、公共交通網の整備が加速中です。京阪電気鉄道(大阪府枚方市)は大阪メトロ中央線九条駅への乗り入れを検討し、JR西日本(大阪市)は桜島線の夢洲延伸を計画。いずれも調整段階ですが、夢洲の都市機能を支える基盤となる動きです。
これまで大阪では、梅田を中心とする「キタ」や難波を中心とする「ミナミ」が発展をけん引してきました。しかし交通インフラ、特に万博やIRの誘致と連動した大阪メトロ中央線の整備により東西の移動が便利になり、近年では夢洲・此花エリアの「ニシ」や京橋・森之宮エリアの「ヒガシ」といった周辺地域にも注目が集まっています。
今後万博・IR施設の周辺や28年に開設予定の大阪メトロ森之宮新駅付近では、商業施設やオフィス、住居などの開発が期待されます。結果として、地価の上昇や家賃安定、供給量の増加など、不動産市場に大きな変化が起こるのではないかと考えています。
(2025年 10月号掲載)