地元オーナー発信―観光需要増で民泊に可能性(広島)

賃貸経営トレンド

広島|鞆の浦の観光需要増で民泊に可能性

豊田裕之オーナー

 福山市の歴史ある港町、鞆の浦。江戸時代の町並みが残り、坂本龍馬ゆかりの地ということも相まって、近年は観光地としての注目度が高まっています。しかし、交通アクセスの不便さが観光振興の大きな障害になっていました。狭い道路や慢性的な交通渋滞が問題だったのです。

 そこで県は県道バイパスの鞆未来トンネルを整備し、3月に開通。地域の交通利便性が大きく改善されました。そしてトンネルの効果で今後の観光客の流入増加が見込まれています。

 2029年には、星野リゾート(長野県軽井沢町)が鞆の浦に高級宿泊施設を開業予定です。これはインバウンド需要を含む富裕層の取り込みに貢献し、町全体の宿泊ニーズを押し上げる可能性が高いと思われます。地域全体のブランド価値向上にもつながりそうです。

 このような流れの中で、家主として可能性を感じるのは民泊です。高級リゾートに泊まる観光客とは異なる層、例えば長期滞在を希望する個人旅行者にとっては、選択肢が増えることになります。また観光シーズンにはホテルの部屋数が不足しやすくなるため、今後インバウンドが増えてくれば、民泊がその補完的役割を担うことに期待が寄せられます。

(2025年 10月号掲載)

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