地元オーナー発信―ファミリー向け家賃上昇続く(福岡)

賃貸経営トレンド

福岡|ファミリー向け物件の家賃上昇が続く

𠮷原勝己オーナー

 福岡市内では需要が高い家族向け賃貸物件。不動産情報サービスを提供するアットホーム(東京都大田区)によると、ファミリー向け物件(50~70㎡)の8月の平均募集家賃は約12万7000円となり、2024年同月比で14・8%上昇しました。これは東京23区や大阪市を上回る伸び率です。

 福岡市の中心部となる中央区で上昇が顕著なうえ、交通利便性が良く、教育・医療が充実した早良区や西区の人気が根強いようです。その中でも学区が人気の早良区西新・藤崎地区では、築年数が古くても空室がすぐに埋まる状況とのこと。共働き世帯や子育て環境を重視するファミリー層の新規入居が目立ち、25年も家賃相場は緩やかに上昇中だといいます。一方で、郊外の駐車場付きや広い専有面積の物件も人気があります。「通勤利便性」と「面積の広さ・家賃の安さ」から選ばれるようです。

 前号で伝えたように、長期的には人口構成比の変化によって賃貸住宅の需要にも動きがあるでしょう。しかし、今後も人口増加が見込まれる福岡市では、ファミリー向け物件の需要が底堅いと考えられています。さらに再開発により利便性が向上する地域では、新築・築浅物件に加えリノベーション物件の動きも活発化するのではないでしょうか。

(2025年12月号掲載)

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