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大規模修繕工事、診断から施工まで一貫対応
ベストウイングテクノ
1961年創業のベストウイングテクノ(東京都墨田区)は、RC造や鉄骨造を中心に大規模修繕工事を展開する。建物診断から工法・材料選定、施工まで一貫して自社で行うことで、中間マージンを省いた提案をオーナー向けに行えることが強みだ。修繕事業で培った計画立案や施工のノウハウを生かし、買い取り再販事業も伸ばしていく。
ベストウイングテクノ(東京都墨田区)
岡本仁社長

中間マージンをカット 施工後の定期調査も実施
ベストウイングテクノは、売り上げの8割を占める大規模修繕のほか、内装リフォーム、中古不動産のリノベーション・再販、太陽光発電システム設置工事などを手がける。
主な事業である大規模修繕では、劣化診断から設計・工法選定、材料手配、施工、アフターサービスまでを一貫して担い、中間マージンを省いてコストを抑制する体制を敷く。下請け先として発注する協力会社との長期的な関係により、工事品質の高さに自信を持つ。RC造や鉄骨造で20戸程度の賃貸住宅を中心に、年間10件の施工を実施。2025年5月期の売上高は4億円となる。
修繕工事において特に重視するのが建物調査だ。無料の建物チェックサービスで、屋上、外壁など各部の劣化状況を写真付きで提示する「建物劣化調査診断報告書」を作成し、改修プランと見積書をセットで提供。工事完了後2年、3年、5年、10年ごとの定期調査も行う。

▲大規模修繕工事の現場
RC造の外壁改修に使う材料として、東亞合成(東京都港区)が提供する「アロンウオール」を採用。天然ゴムのような素材で、コンクリートの長寿命化を図るとともに鉄筋のアルカリ性を保持する。「建物診断から施工まで一貫して担うからこそ、資産価値向上のための適切な提案を行うことができる」と岡本仁社長は話す。
オーナーに直接提案 買い取り再販にも注力
同社が大規模修繕事業に参入したのは1992年で、ゼネコンの下請けとして実績を積んだ。リーマン・ショック時にゼネコンからの受注が8割減少し、下請けからの脱却が課題となった際に、賃貸住宅オーナーに向けた営業提案を自社で手がけるようになった。
2026年5月期は売上高7億円を計画する。事業の新たな柱と考えるのが買い取り再販だ。これまで手がけてきた建物調査や改修計画の立案、施工におけるノウハウを生かし、26年5月期は10件の中古物件取得・販売を目標とする。
(2025年12月号掲載)






