<<My賃貸経営スタイル>>
新築時から内外装にこだわり差別化
清掃と入居者へのおもてなしに注力
内見後すぐ決まる「決め物件」
大阪市で1棟6戸を経営している柳瀬敏恵オーナー(大阪市)。大阪メトロ中央線緑橋駅から徒歩わずか2分の好立地に立つRC造マンションは、1LDK・ 40㎡の広々とした間取りが好評だ。常にほぼ満室で「仲介会社の担当者からは、内見を紹介したら絶対に決まる『決め物件』だと言われています」(柳瀬オーナー)
柳瀬敏恵オーナー(大阪市)

この場所には、もともと柳瀬オーナーの義母が経営する薬局の建物があった。3棟のテナントが入居する長屋型の店舗で、義母はその1区画で自分が商売をし、残り2区画は賃貸していたそうだ。義母の薬局の閉店後はシャッターを下ろしていたが、将来の子どもへの相続までを見据え、2014年に自宅兼RC造マンションを新築した。柳瀬オーナーはそのマンションを自主管理している。
経営で最も大切にしているのは、徹底的な差別化だ。周辺に新しい物件が建つと外観や間取り、設備などを可能な範囲でチェックする。差別化へのこだわりは新築時から意識している。
「根本的な造りは後から工夫しにくい点なので、新築時には相当こだわりました。『既製品』ではなく『オートクチュール』を目指したのです。『ほかの物件に似ていない』というだけでポイントが高いですし、後からの人はまねできないですから」と柳瀬オーナーは話す。

和モダンをコンセプトに落ち着きのある外観
和モダンをコンセプトにデザイナーに監修してもらい、バルコニーには木目の柵を使用、町屋のような落ち着きがある外観となっている。部屋はホワイト基調とブラック基調の2タイプで、パネルカラーは全室異なるので同じ部屋は二つとない。こだわりの詰まったデザイナーズマンションは軽やかでおしゃれな印象で、RC造特有の重々しさがない。

ブラック基調の1室。同じ部屋は二つとない
共用部を季節の飾りで演出
竣工後は、清掃と入居者へのおもてなしにこだわる。
「戸数が少ないからこそ空室は命取りですが、安易に家賃を下げて入居してもらおうとは思いません。部屋をブラッシュアップしていくことで、納得して長く入居してもらいたい」と柳瀬オーナーは考える。
まずは、徹底的な清掃だ。マンションの敷地内だけでなく、付近の道路も常にごみ拾いを欠かさない。「ほかのマンションではごみが放置されていても、清掃の日までそのままということが多い。私のマンションでは一瞬たりとも散らかっていることがないように気を使っています」と話す。
また柳瀬オーナーは、入会している「がんばる家主の会」で得たアドバイスや学びを経営に生かしている。
- エントランスには季節感のある植栽を
- 共用部を季節の飾りで演出
共用部と階段のディスプレーは季節ごとに自主的にセッティング。「『おしゃれで楽しい』と心に残るような、考え抜いたものを飾っています。入居者や内見者に『かわいい』『ほっこりする』と言われたら狙いどおりでうれしいです」(柳瀬オーナー)。またエントランスの天井にはスピーカーを埋め込んである。BGMが流れるのも、この規模では珍しい演出となっており差別化につながっている。
小型の一棟マンションではあるが、こだわりと共に次世代に伝えていくのが目標だ。
(2026年 1月号掲載)








