韓国・釜山の不動産事情
新築価格はソウルの4分の1
韓国は日本のお隣で、なじみの深い国です。国情も産業構造も日本との共通点が多いですが、人口、経済、政治、文化、教育において、首都ソウル周辺に超一極集中しています。不動産価格も、ソウル周辺とそれ以外の地方都市との間には巨大な格差があります。

ソウルと、韓国第二の都市・釜山の間には、都心部の区分マンションの専有部分の坪単価において、約4倍の違いがあります。例えば、ソウルの江南(カンナム)と釜山の海雲台(ヘウンデ)の、それぞれの都市のトップの都心地区で売り出される新築「オフィステル」高層階の売り出し事例を比べると、本当に4対1です。
確かにソウルは巨大な世界都市ですが、釜山も人口300万人以上で、国際空港があり、高層ビルが林立する大都市です。それを考えると、この価格差は他国にほぼ類例を見ないレベルだといえます。日本では、東京で2億円するマンションと同等のものが大阪で5000万円で買えることはまずありえないですが、韓国ではそれが起こっています。

高層ビルが林立する釜山の都心部
日本に近く、「住みたい」大都市
そして「ソウルと釜山、どちらの物件に自分が住みたいか?」を考えると、間違いなく釜山に軍配が上がります。釜山は部屋から海が見え、気候も温暖、海鮮料理もおいしくて値段も安い。
正直にいって「釜山がこんなに安く買えるのに、ソウルの金持ちはなぜ買わないの?」と不思議に思いましたが、買わない理由が確かにあります。それは韓国政府の規制で、2戸目以降の住宅所有に税金が多めにかかるからです。

トータルコストを考えると、多くの韓国人は住宅を一つしか買わず、どうせなら資産価値を考えて首都ソウルに持つ、という流れになっているのです。
逆に日本人から見ると、釜山のほうが日本に近く、利用価値も高い。韓国独特の理由から安値で放置されている釜山にセカンドハウスを持つのは魅力的ではないでしょうか。今の日本で、都心の新築レジデンスが1坪あたり300万円で買える大都市はもう残っていませんから。
アジア太平洋大家の会
代表 鈴木 学

[PROFILE]
海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。
(2026年 2月号掲載)





