高級外車の無料利用サービス

賃貸経営入居者との関係づくり

<<入居者との思い出>>

高級外車の無料利用サービス
入居者との交流のきっかけに

 村瀬裕治オーナーが2007年3月に建築した賃貸マンション「Linda」は、「MBA CLUB」という異色のサービスが付いた物件だ。MBA CLUBとは「Mercedes─Benz」のM、「BMW」のB、「Audi」のAの頭文字を取った名称で、マンションの住人ならこれらの外車を無料で使うことができるというサービスだ。

村瀬裕治オーナー(愛知県豊明市)

 このアイデアを思い付いたのは09年。村瀬オーナーが所有する別の賃貸マンションの駐車場を見た時だった。豊明市は郊外のベッドタウンで、車の所有率が高いエリアだ。

 「多くの車は使用時間が短く、駐車している時間が長いのです。さほど乗っていないのに、年50万円くらいの維持費がかかっている。だったらカーシェアリングのサービスがあれば入居者の負担が減り、喜ばれるのではないかと考えました」(村瀬オーナー)

 高級車にしたのは、Lindaの入居者の多くが近くの藤田医科大学に通う医学生で、物件を決める両親が富裕層であり外車を好んだため。また学生以外の入居者も高所得者が多く、国産車だとゴルフバッグが四つ入らないというのを聞いていたからだ。

 

 10年にサービスを開始すると、大手の不動産仲介会社に勤務していた男性から、BMWを借りたいと連絡があった。自分でも車は持っていたが国産車だったので、交際中の女性の両親に結婚のあいさつに行く際、高級外車に乗って自身を鼓舞したいということだった。

 「その入居者は仕事上の付き合いもあった人だったのですが、後日『村瀬さん、おかげで結婚が認められました』と喜んで報告してくれたのです。私までうれしくなりました」(村瀬オーナー) 

 このほか、週末にゴルフで利用する人や、足をけがしたので治療中だけオートマチック車に乗りたいと利用した人もいたという。

 入居者の中には医学生から医師となった後も、継続して同サービスを利用する人もいる。また男性だけでなく、女性からも好評だ。

 「高級車の利用サービスでマンションに付加価値を与えることで物件が注目され、広告になっています。それが空室を減らすことにもつながっています。また同時に、入居者とのコミュニケーションを円滑にする役割も果たしてくれていると感じます」と村瀬オーナーは語る。

[村瀬裕治オーナー プロフィール]
愛知県豊明市生まれ。大京に入社後、1級建築士として企画・設計・開発営業を担当。オーストラリア・ゴールドコーストのリゾート開発に携わる。現在は代表を務めるグループ会社で国内外に250戸の賃貸住宅を所有。年間200日以上は旅に出ている。

(2026年5月号掲載)

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