【連載】海外各都市の不動産投資:2月号:タイ・パタヤ

賃貸経営不動産投資

タイ・パタヤの不動産事情

首都近郊で高い不動産需要

 タイのビーチリゾート都市であるパタヤは首都バンコクに近く、国内外とのアクセスにも優れています。バンコク市内の二つの国際空港に加え、南側のウタパオ国際空港も利用することができ、世界の主要都市に直通で行けます。陸路ではバンコクから高速道路で1時間半の道のり。それが将来、高速鉄道建設が実現すれば、バンコクと30~40分で結ばれる見込みです。

  首都に近いパタヤの不動産は、離島のリゾートとは異なる可能性を持っています。例えば、

●バンコクに住むビジネスマンのセカンドハウス・ワーケーション需要を取り込める

●バンコクとの間に多くのインターナショナルスクールがあり、教育目的の移住に向く

●製造事業の中心地に近いため資材価格が安く、建築費、改修費を抑えられる

 新型コロナウイルス下では海外からの客足が途絶え、観光事業や不動産賃貸市場は一時打撃を受けました。しかし首都近郊という地理的条件が幸いし、バンコクからの移住や、ワーケーション、セカンドホーム需要でにぎわいました。

 2022年からは徐々に海外からの客足も戻り、観光・居住需要を見込んだコンドミニアムやホテルの建設が、特にパタヤ南部のジョムティエン・ビーチを中心に活発化しています。超高層コンドミニアムが次々と建ち、街が大きく変貌しました。

収益得やすい土地付き物件

パタヤの土地付き物件

 パタヤの不動産市況は二極化しており、富裕層や外国人需要がある区分コンドミニアムの高級物件は、強気の価格設定でも売れているようです。また、海が見える部屋は価値が落ちません。逆に、海が見えない、特色の乏しい物件は価値が上がりにくいため、区分を買うなら立地や眺望で差別化したいところです。

 一方、土地付き物件は常に需要が高く、値上がり益を得やすい安定資産です。タイでは、外国人は原則、土地や土地付き物件を個人名義で購入できませんが、タイ法人を設立すれば、法人で所有することができます。タイ法人は設立、維持コストともに安価で、外国人が代表になれます。また、タイ法人名義で売られている土地付き物件を、代表者変更手続きをして所有するということも可能です。

 私は23年11月に、パタヤの湖畔の住宅地で「土地832㎡、建物450㎡、新築2階建て、6寝室、プール付きの豪邸」が円換算して6000万円強で売られているのを見ました。現地の感覚でも割安で、すぐ売れていました。伸びしろの大きい土地付き物件を所有する手だてとして、タイ法人はもっと注目されていいと思います。

 

アジア太平洋大家の会
代表 鈴木 学

海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。

(2024年2月号掲載)

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