【連載】海外各都市の不動産投資:1月号:スリランカ・コロンボ

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スリランカ・コロンボの不動産事情

22年の経済危機から回復へ

 スリランカは、インド亜大陸南東の海に浮かぶ島国です。北海道よりやや小さい国土に、人口は約2200万人。インドとは55㎞しか離れておらず、両国の経済関係は密接です。また南アジアにおいて戦略的に重要な位置付けとされることから、中国との関係も強固です。スリランカ南部のハンバントタ港、マッタラ・ラジャパクサ国際空港などは中国からの巨額の融資により建設されました。

 同国は観光資源の宝庫でもあります。世界遺産シギリヤ・ロックをはじめとする数々の遺跡、植民地支配の歴史を経た城じょう塞さい都市ゴール、多数の美しいビーチリゾート、そして内陸部の山々は「セイロンティー」の一大産地となっています。

 常夏の気候で、欧米人の観光旅行先、長期滞在先として昔から人気が高く、インド、中国からの観光客も増えています。

 一方で同国は民族間の対立が深く、2009年までの26年間は内戦続きでした。内戦終結後は高度経済成長期に入りましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で20年の経済成長率はマイナスに転落。22年には経済危機に見舞われて暴動が発生し、大統領が国外逃亡、首相が「国家破産」を宣言する異常事態に陥りました。

 今はIMF(国際通貨基金)の融資が入り、回復途上です。コロナ収束後は外国人観光客も戻り、一時期暴落した通貨スリランカルピーの為替レートも回復して平和が戻りつつあります。

都心の分譲マンションも割安

▲コロンボ中心部で開発中のカジノを含む統合型リゾート(IR) 

 同国最大の都市コロンボは、都市圏人口200万人を超え、インドと中国との経済関係を強化し、再び繁栄の道を歩もうとしています。

 今、コロンボの不動産でホットな話題は、都心に隣接する海を埋め立てた新市街地の「ポートシティー」です。今後20年以上かけて、同地で都市開発を行っていきます。私は23年9月に現地に行きましたが、その規模感と近さに圧倒されました。大阪に例えると、「IR予定地の人工島が梅田のすぐ隣にある」という感じでした。

 そしてコロンボの中心地では、同国初のIRを含む総合開発が行われています。シンガポールの「マリーナベイ・サンズ」の設計に関わったチームが手がけた建物はすでに完成しており、カジノは25年に開業予定です。

 レジデンス棟の分譲も行われており、インド人をはじめ各国駐在員やその家族が借りています。2ベッドルームタイプ、専有面積105㎡の最安値が46万1835米ドル(約6880万円)。スリランカの最高水準の物件をこの価格で購入できるのは割安感があります。

PROFILE
アジア太平洋大家の会 代表 鈴木 学

海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。

(2024年1月号掲載)

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