最終回 現地調査のまとめ
建物の通常の状態を知る
現地調査の内容を12回にわたり解説してきました。それぞれの建物が、適切な状態にあるかを判断するには「通常の状態を知る」必要があります。
ブランド品が偽物かどうかを見極めることができる人は、本物をたくさん見てきているからといわれます。物件も見極められるようになるには、物件の現地調査を数多くすることです。
幸いにも、区分マンションは一棟物より販売物件数が多くあります。しかも、戸建て住宅より総数で比べても、高品質で好立地の場合が多いのです。常に「いい物件」は売りに出ているため、その中からいい物件を見極めればいいのです。
また次から次へと出てくるので、買い急ぐ必要は全くありません。むしろ、多くの物件をしっかり調査して、問題があっても解決できるかどうか、それをしのぐほどのメリットがあるのかを見極めるほうが重要です。
物件を調査し知識を蓄える
不動産の購入には、机上での調査に加え、現地調査がとても大切になります。賃貸経営の「商品」は建物ですから、通常のビジネスにおいて、自社の商品のことを知らないことはありえません。しかし、不動産投資家の間では、知らずに取引している人が多いように思います。
商品である建物の知識を深めるためにも、現地調査を行ってください。知っておくべき構造や設備、定期的なメンテナンスや修繕についての知識も必要となります。そういった時にはぜひ現地に足を運んでください。
購入後、自分で対応できないことは、プロの事業者に頼みましょう。そして、立ち会っていろいろ学びましょう。その繰り返しで、建物についての知識は得られます。
最後に
現地調査をきちんとすることで、建物が長持ちするかどうかを見極められます。入居者に安心、安全で快適な住空間を提供できれば、連載を続けてきた意味があります。
この「現地調査でわかる区分マンションの選び方」は今号で終了します。この連載の前も含め通算5年という長きにわたり連載できたことを感謝いたします。ありがとうございました。
築50年経過のマンション比較
築年数が同じでもメンテナンス次第で状況は全く違ってくる
〈外観〉
〈階段〉
〈外観〉
〈階段〉
横山顕吾 オーナー(広島市)
1970年岡山市生まれ。筑波大学体育専門学群卒業後、建物管理会社に就職。2008年から一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)広島支部長を務め、12年に投資用分譲マンション2戸を取得。17年に区分マンション所有に特化した専業家主へ転身。マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸経営アドバイザー、防火管理者、損害保険募集人資格などを持つ。趣味はリフォーム、ラグビー観戦。
(2024年5月号掲載)
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現地調査でわかる 区分マンション選び方 4月号
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