全国の家主の会に聞いた2025年繁忙期総括①
金利・物価共に上昇 入居者の動きと家賃にも影響
毎年1月から3月といえば、不動産賃貸事業にとって新年度に向けた入退去が多くなる繁忙期にあたる時期だ。例年であれば、学生や新社会人、人事異動によって入居者の動きが活発になる。
近年、運送事業では人手不足や燃料価格高騰によって引っ越し料金の値上げが続いている。
また、テレワークの定着や、大企業での人事異動の縮小傾向もあり、1月から3月にかけての部屋探しはほかの時期への分散や縮小の傾向が見られる。
一方でオーナー側の金銭的負担は大きく増加している。
日本銀行は2025年1月23日・24日に開催した日銀金融政策決定会合で、現行の0・25%の政策金利を0・5%に引き上げることを決定した。これにより、賃貸物件の購入で利用するローンの金利も上昇していくことが見込まれる。
総務省統計局によると、25年3月の消費者物価指数(CPI、20年=100)は111・1。前年同月比で3・6%の上昇、前月比でも0・3%上がっている。ランニングコストに直結するエネルギーの項目においては、前年同月比6・6%の上昇だ。
これは、不動産経営における支出増大だけでなく、入居者の可処分所得の減少にもつながる。
そのため、より安い賃貸住宅への転居や、逆に引っ越しコストの値上がりを受けた引っ越し控えの動きが想定される。
この難しい局面で、25年の繁忙期にはどういった動きがあったのか。「家主の会」を中心に全国のオーナーに取材した。
退去数や新規契約数について例年との比較のほか、賃料動向についても聞いた。
(2025年7月号掲載)
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