「省エネ補助金・子育てグリーン住宅支援事業」に続き、賃貸住宅で申請できる、国による省エネ関係の主な補助事業をまとめた。
既集戸
先進的窓リノベ2025事業
高い断熱性能を持つ窓への改修を支援
24年度と同様の予算規模で継続する。戸建て、集合住宅にかかわらず既存住宅が対象だ。高断熱の内窓設置や外窓交換、ガラス交換が補助対象となる。
これらの窓のリフォームと同一契約内で、ドア(開口部に取り付けられているもの)を断熱性能の高いものに改修する場合は、ドア交換も補助の対象となる。
窓のリノベーションは、光熱費の削減以外にも、窓の結露が減ることでカビ・ダニの発生防止、快適な室温の維持、防音性の向上など、入居者のメリットが大きい。
入居者満足度の高まりによって不動産価値が向上すれば、入居率の改善や賃料収入アップが期待できる。またカビが発生しにくいことで原状回復工事の費用負担が軽減された事例もある。
賃貸住宅での窓リノベの実施は入居者から合意を得るのに時間がかかるなど、工事までのハードルは高いが、実施した場合のメリットを丁寧に説明し、交渉してみる価値はあるだろう。
■先進的窓リノベ2025事業(戸建て・集合住宅共通)
◆リフォーム
※1戸あたり200万円を上限とする。ドア交換は窓と同一の契約で行う工事に限る

新既集戸
給湯省エネ2025事業
高効率給湯器の導入を支援
高効率給湯器の設置を支援する。高効率給湯器は、従来の給湯器と比べて少ないエネルギーで効率良くお湯を沸かすことができる給湯器。初期費用が30万円以上と高額になるが、同事業により補助金を受けられる。戸建て、集合住宅にかかわらず、新築・既存住宅共に対象。
補助額は設置する給湯器により異なり、基本額に加え、性能に応じて加算される。また既存住宅のリフォームでは、古い既存設備の撤去についても加えて補助を受けることができる。
同事業の補助対象とならない性能の製品でも「子育てグリーン住宅支援事業」で補助が受けられる場合があるため、要件の詳細は公式ホームページを参照して確認しよう。
■給湯省エネ2025事業(戸建て・集合住宅共通)
◆新築・リフォーム共通

※A要件:インターネットに接続可能な機種で、翌日の天気予報や日射量予報に連動することで、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有するものであること。
※B要件:補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO₂排出量が少ないものとして、それぞれ定めるものに該当するものであること。(詳細はホームページで確認)
※C要件:ネットワークに接続可能な機種で、気象情報と連動することで、停電が予想される場合に、稼働を停止しない機能を有するものであること。
既集
賃貸集合給湯省エネ2025事業
賃貸集合住宅に対する小型の省エネ型給湯器の導入を支援
設置スペースの都合で給湯省エネ2025事業の対象となる高効率給湯器の導入が難しい賃貸集合住宅向けに、小型の省エネ型給湯器の導入を支援する。戸建て賃貸や事業用賃貸は対象外だ。
リフォーム工事だけでなくリース利用も対象となる。
24年度は原則1棟あたり2台以上の取り換えが必要だったが、25年度は1棟あたり1台以上の取り換えで補助を受けることができるようになった。これにより、退去のタイミングで省エネ型給湯器の導入がしやすくなっている。
補助額は設置する給湯器の追いだき機能の有無によって異なり、加えて加算対象となる工事を実施すれば、最大で1台10万円となる。
■賃貸集合給湯省エネ2025事業(集合住宅のみ。リース利用も同額)
◆リフォーム

※加算対象となる工事を実施した場合(追いだき機能なし:共用廊下を横断するドレン排水ガイド敷設工事、追いだき機能あり:浴室へのドレン水排水工事)
※1住戸につき1台まで
(2025年7月号掲載)
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