トレーラーハウス Trail inn
空間を拡張できるトレーラーハウスを開発
特許工法と自社工場を武器に投資用ホテルを展開
ヒーローライフカンパニー(東京都港区)
日崎哲仁社長(63)
高稼働で安定的な投資型トレーラーホテル
建設工事費が高騰している中、費用対効果の高いトレーラーハウス事業がトレンドとなっている。物件を保有すると、固定資産税など継続的な支払いが発生する一方、トレーラーハウスは車両扱いとなるため、自動車税は発生するが、不動産に関わる税金は不要。また、償却期間に関しても建築物が20年以上かかるのに対し、トレーラーハウスは4年。こうした経済的メリットに加え、移設自由なトレーラーハウスは新たな土地の有効活用法として注目を浴びている。
そうした中で、建築事業を手掛ける同社も トレーラーハウス事業に乗り出した。現在は投資用トレーラーホテルの「Trail inn」とトレーラーハウスの製造・販売「TRAILS」の2事業を展開している。特徴は、同社工場での製作により、木造の「2×4」工法、W断熱仕様と、高気密公断熱材住宅と変わらない高性能な品質を確保している点にある。同社は19年の歴史の中で、約20個の建築工法を開発してきた。たとえば、2011年の東日本大震災時には東北の加盟店の支援として、工場生産が可能な水廻りユニットと型枠兼用断熱材を活用し、低コストで短期間の施工を実現。快適さも兼ね備えたU&U住宅を開発し、地元の住宅提供に貢献した。
2021年にリリースしたトレーラーホテル「Trail inn」にも同社の特許工法を活用しており、研究を重ね現在では、W断熱にして利用者の快適性を追求したトレーラーホテルを開発した。「Trail inn」は現在、投資用ホテルとして展開しており、投資家は1台640万円から購入可能。同社が10年間借り上げて運営を行う仕組みだ。工業団地や工業地帯のロードサイド沿いに施設を構え、出張者や出入業者、メンテナンス業者など長期滞在者のビジネス需要が見込め、高稼働で安定的な収益が見込める。オーナーがトレーラーハウスを使った事業を検討する場合、ホテル運営に限らずトレーラーハウスのOEMの対応も可能だ。
また、2022年、同社で特許工法を取得した拡張型トレーラーハウス「TRAILS EX」を発表した。トレーラーハウスのコンテナは20フィートの規格が一般的。宿泊利用として最大1~2名までが空間的に限界であった。「TRAILS EX」は現地で拡張することにより、従来の1室2人までの宿泊に対して、家族連れの3~4人までの宿泊を可能とした。
今後は、2027年には「Trail inn」を1000室にすることを目標としている。また、これからも同社の持つ工場生産型の強みを活かして、トレーラーハウスを含む建築領域で新たな開発を続けていくという。
▲拡張型のトレーラーハウス「TRAILS EX」
(2024年7月号掲載)
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