【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第五弾①

土地活用パーキング

 今回紹介する非住宅系土地活用ビジネスは、遊休スペースを活用できるスペースシェアリングサービス、耕作放棄地を活かした体験農園、投資型レンタルオフィスFC、ホスピスだ。非住宅系土地活用ビジネスの選択肢の1つとして、遊休地や空きテナントの新たな活用方法の参考にしてほしい。

テナント・土地活用ビジネスの最新動向
収益性の高い非住宅系遊休地活用

空きテナントや遊休地の新たな活用で収益化を狙う

さまざまな土地の有効活用方法

 近年は、住宅以外にもさまざまな土地の活用方法が生まれている。今回は非住宅系の土地活用ビジネスとして、注目の事業4つを紹介する。

 軒先は、遊休地を活用したいオーナーと、スペースの利用希望者をウェブ上でマッチングするサービスを複数展開している。主なサイトは「軒先ビジネス」「軒先パーキング」「magari」の3つで、それぞれ利用目的に応じてサービス内容が異なっているという特徴がある。

 マイファームが展開する「体験農園マイファーム」では、土づくりから収穫まで一連の農作業ができる環境を提供している。同社は近年増加している耕作放棄地を地主から借り、体験農園として利用者に貸し出している。使用期間が限定される一般的な市民農園とは異なり、同社の体験農園は1年ごとの契約となっているため、更新によって長期間継続して利用できることで注目を集めている。

 beberiseが手掛ける「RISE OFFISE」は、レンタルオフィスやバーチャルオフィスを低価格で提供するサービスだ。同事業は集客から契約までワンストップで本部が対応する投資型FCとなっている。

 フレアスが展開する「フレアスメディカルケアホーム」は、さまざまな苦痛を和らげる治療・ケアを行うホスピスだ。同社は、祖業である訪問マッサージを組み合わせることで、「痛みの無いホスピス」の実現を目指している。ホスピス事業は、高齢化が進む今後の日本で、高需要が見込める事業として期待が高まっている。社会貢献度が高いことから、ホスピス事業のような介護施設への投資を前向きに考えるオーナーは増加しつつあるという。

スペースシェアリングサービス
軒先ビジネス・軒先パーキング・magari

スペースシェアのプラットフォームサービス
手数料38.5%で本部がテナント審査を代行

軒先 (東京都港区)
西浦明子社長

短期場所貸しで遊休地活用

 軒先(東京都港区)は、所有地を有効活用したい不動産オーナーと、スペースを借りたいユーザーをウェブ上でマッチングするサービスを提供する。提供する主なサービスとして「軒先ビジネス」「軒先パーキング」「magari」の、3つのプラットフォームがあり、それぞれ活用目的が異なる。  

 軒先ビジネスは、売場を設けて商売がしたい人向けの短期場所貸しサービスとして2008年に開始した。ロードサイド店の屋外スペースや集合住宅の共有スペース、オフィスビル前など、さまざまなスペースが貸し出されており、キッチンカーの出店や物販催事を中心に利用されている。

 利用にあたって、本人確認書類や営業許可証などを提出。審査に通った事業者・法人のみがスペースを借りることができるため、貸主は安心してスペースを貸し出せる。現在、約1万7000の事業者や法人が利用しており、一都三県を中心に全国約3000カ所のスペースが登録されている。スペースを貸したい不動産オーナーは、会員登録を行い、スペースの所在地や広さ、使用可能日時や利用料金を登録するだけで、簡単にスペースの貸出しが始められる。同社によると、意外なスペースに需要が生まれることもあるため、スペースの登録は原則全て承認しているという。貸主はスペースの利用料の38・5%、借主はスペースの利用料に加えてサービス料10%をそれぞれ同社に支払う。  

 軒先パーキングは、2012年に開始した駐車場を貸したい人と予約したい人をマッチングするサービスだ。貸出しの際の審査は無いため、登録するだけで未活用のスペースを駐車場として貸し出すことができる。コインパーキングとは違い、システム上、基本的には1日単位の貸出しとなる。未契約の月極駐車場や空き地など、全国で約3万1000カ所が登録されており、約68万人の利用者がいる(2024年7月時点)。旅行やレジャーでの利用が多数だが、帰省や通勤通学などのニーズもあるという。

 magariは、2019年から開始した飲食店を始めたい人向けの飲食店の間借りサービスだ。同サービスでは、不動産所有者の許可を取ったうえで、テナント入居者が貸主となる。貸主は店舗が営業していない時間を収益化でき、借主は既存の飲食店を利用することで固定費を抑えて開業できる。利用の際の手数料は20%で、店舗スペースをどこまでシェアするかなどのルールを細かく取り決めた上で、最短30日から店舗のシェアができる。 

▲店舗前のデッドスペースも有効活用

(2024年10月号掲載)
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