注目の新築プロジェクト:階ごとに違う付加価値で満室

土地活用賃貸住宅

白い外壁に窓モールを付けて南フランスの趣
1階と2~3階で違う付加価値を用意し満室

エクセレンテ蕨(埼玉県蕨市)

松山貴広オーナー(57)(さいたま市)

 面積が5・11㎢の埼玉県蕨市は日本一小さい市として知られている一方、人口は7万6000人超を誇り人口密度も高い。そんな蕨市のJR京浜東北線蕨駅から徒歩10分の場所に6月、「エクセレンテ蕨」が竣工した。松山貴広オーナー(さいたま市)にとって15件目の新築物件となる。

 もともと同地は企業が所有する土地だった。徒歩圏内には市役所や大きな病院、小学校などがあり、松山オーナーは賃貸住宅のニーズは十分にあると判断。最近は、外国人の居住者が多いことでよく話題に取り上げられる蕨市だが、同物件のある駅の西側は昔からの住民が多く、落ち着いた雰囲気で住みやすい。「蕨駅から東京駅、または新宿駅まで電車で30分前後です。東京都心はもちろん、さいたま市や埼玉県川口市へも通勤しやすい穴場だといえます」と松山オーナーは話す。

▲汚れに強い素材を厳選した真っ白な外壁

 松山オーナーが周辺で土地を探していた時期と、企業が土地を手放すタイミングが運良く重なり、相場よりも手頃な金額で手に入れることができた。その結果、近年の建築費の高騰の影響を受けたものの表面利回りは約8%となった。

 木造3階建ての同物件は「フレンチクラシック調の白い外観が特徴です」と松山オーナーが話すとおりの真っ白な外壁で、住宅街の中で目を引く存在だ。今まで手がけた物件とは異なる外観にしたかったという松山オーナー。白を基調とした外壁とエントランスの門柱に、黒いクラシカルな鉄製の玄関灯やフェンスがアクセントになり、南フランスを思わせる仕上がりとなっている。

 窓の周りに取り付けた窓モールは施主支給したもの。「どんなデザインのものを使うか、自分で選びました。装飾があるのとないのとでは、印象がかなり違います」(松山オーナー)

 室内は住み心地の良さはもちろん、外観の雰囲気を壊さない内装を考えた。床には白っぽい木目調のフローリングを採用。壁紙は白をメインに、寝室にはグレーとベージュを合わせたような落ち着いたカラーのアクセントクロスを使うことで、洗練された印象になった。

 快適な生活のための工夫として設けたのが、キッチン脇のカウンター。1人暮らしは食事を外で済ませたり簡易的なものになったりしやすい。小さいながらも食事ができるスペースがあれば食事が取りやすいし、ちょっとした作業をするのにも便利だ。「わざわざダイニングテーブルを買わなくて済むので、単身者だけでなく、2人で住む場合でも部屋のスペースを広く使うことが可能です」と松山オーナーは話す。

▲白い木目調の床と、洋室の落ち着いたアクセントクロスの色がナチュラルな印象をつくり上げる

 さらに、一般的に日当たりや防犯などの面から人気の低い1階の部屋には床暖房を導入。一方で、2~3階はペット飼育可にすることで多くのニーズを取り込めるように工夫した。

 入居者はカップルや子どものいない夫婦がメインで、6割を占める。

【1号室の間取り図】

【物件概要】
物件名:エクセレンテ蕨
所在地:埼玉県蕨市
構造:木造、3階建て
戸数:15戸
竣工年:2024年6月
間取り・広さ:1LDK/27.89~36.34㎡
家賃:9万2000~10万円
(管理費込み)

(2024年11月号掲載)

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