注目の新築プロジェクト:1フロアに1戸の民泊併用賃貸

土地活用賃貸住宅

回遊型の間取りの3LDKが1フロアに1戸
賃貸住宅と民泊の併用で収益性アップ

SANDS(サンズ:東京都江東区)

村澤秀明オーナー(37)(東京都渋谷区)

 都営地下鉄新宿線西大島駅から徒歩13分。東京の下町にある商店街の中にRC造5階建て、1フロアに3LDKが1戸というぜいたくな造りの賃貸住宅「SANDS(サンズ)」が2024年6月、完成した。村澤秀明オーナー(東京都渋谷区)にとって初となる新築物件だ。

 各階に1戸という造りにした理由の一つが、物件の立地環境。最寄り駅の西大島駅は、新宿駅やJR東京駅まで20~30分で行くことができる。徒歩圏内には東京都の三大銀座商店街の一つといわれる砂町銀座商店街や大型商業施設があり、小学校、公園も近い。つまり、単身者、ファミリーを問わず住みやすい。

▲白と黒のツートンカラーで洗練された印象のSANDS外観

 もう一つの理由は収益性。全戸をワンルームにした場合、収益率は高いが周辺に競合物件が多い。さらにエレベーターが設置しにくいこともマイナス点だった。一方、同エリアで供給不足気味のファミリー向けとして70㎡超の3LDKを検討したところ、窓先空地の面積分を減らせるうえ、総賃料がそれほど変わらないことに気が付いた。

 そこでファミリーやSOHO、さらには旅行者の需要に対応しつつ、最大限の収益性を確保できるように1~2階を民泊、3~5階を賃貸住宅にした。十分にニーズが見込めることから、家賃は周辺より2割高い約30万円、民泊は1泊1組4万~5万円ほど(時期や曜日により異なる)に設定。利回りは普通賃貸の場合で6・5%、民泊収益を含めると13%という高さを確保することができた。

▲キッチンの奥に洗面室と浴室が続く

 

 1フロア1戸だからこそ、間取りにはこだわった。最大のポイントは洗面所からキッチン、リビングまで回遊動線を取り入れた点だ。家事のしやすさを考えたからこその造りで、キッチンも作業スペースを大きくするためにL型のものを特注した。

 トイレと洗面ボウルがそれぞれ2個ずつあることも賃貸住宅には珍しい。「朝の忙しい時間に家族で取り合うことがありません。特にトイレはSOHO利用時に来客用と私用で使い分けることができます。また民泊は最大12人まで宿泊が可能なことから、その利用者のためという理由もあります」(村澤オーナー)

 

 可動式の壁でリビングの広さを変えられたり、寝室の隣に4㎡のサービスルームがあったりと、それぞれの住戸で少しずつ異なる間取りにした一方、内装はある程度統一した。床は、手入れがしやすく傷が付きにくいアイボリー色のストーン調フロアタイルを選択。壁紙は白とグレーを組み合わせ、落ち着いていて清潔感のあるホテルのような雰囲気になっている。

▲玄関脇には大容量のシューズボックス

 村澤オーナーのこだわりが詰まったSANDSには、SOHO利用の単身者やペットと同居希望のファミリーが入居を決めた。東京スカイツリーも見える位置に立っていることから、1~2階の民泊事業も高稼働が見込めそうだ。

【物件概要】
物件名:SANDS(サンズ)
所在地:東京都江東区
構造:RC造、5階建て
戸数:5戸
竣工年:2024年6月
間取り・広さ:1LDK/70.14~80.31㎡
家賃:29万~31万円(管理費込み)

(2025年1月号掲載)

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