注目の新築プロジェクト:植栽付きバルコニーとドッグラン

土地活用賃貸住宅

植栽付きバルコニーと住民専用ドッグラン
人と自然、動物、地域をつなぐ賃貸住宅

kinone(キノネ)東久留米(東京都東久留米市)

タネニハ(東京都東久留米市)
荒川博典代表取締役(48)

 西武鉄道池袋線東久留米駅から徒歩1分という好立地に、人と動物、そして植物が共にゆったりと暮らすことができる賃貸住宅がある。2024年8月に竣工した「kinone東久留米」だ。RC造8階建てで、1〜2階が「商業ゾーン」、3〜8階が39戸の「レジデンスゾーン」に分かれている。「動植物との共生」がコンセプトで、8階には屋根付きのドッグランもある。
 全住戸のバルコニーには植栽が設けられており、目を引く外観の同物件。植栽は、地元で農園を営むオーナーが著名な造園家と相談して、約150種類の木や草花をあえて不ぞろいにしてある。さらに、季節に応じて水量を設定しつつ自動で水やりをする装置を導入した。専門家が年に数回程度メンテナンスを行う予定だが、入居者にも一度レクチャーを行い日常の簡単なメンテナンスをしてもらう。これも暮らしの楽しみの一つとしてもらう狙いだ。

▲オーナーこだわりの植栽が目を引くkinone東久留米の外観

 植栽にはかなりコストがかかったが「入居者に駅前でも植物の豊かさを日常生活の中で感じてほしいというオーナーの思いがあり、譲れないポイントでした」と管理を手がけるタネニハ(東京都東久留米市)の荒川博典代表取締役は説明する。
 自然を感じさせる工夫は室内にもある。コンクリート打ちっ放しの壁の一部に、アクセントウォールとして木製パネルを採用。同パネルには、入居者が自由にDIYで手を加えることができる。

▲キッチンの背面をはじめ収納はオープンラックが中心

 商業ゾーンのうち、1階はフードコートスタイルで、オーナーの農園をはじめとした地元で取れた食材を使った店が入る。「フードコートでは、基本的に地元食材を使ったメニューを提供してもらいます。駅前でありながら人のぬくもりや安らぎを感じられる場を目指しています」(荒川代表取締役)。さらにオーナーがアンティークの家具や植栽をふんだんに設置して空間を演出しているという。

 

 駅前でペット共生型という条件だけでも十分な強みだが、同物件では多頭飼育も可能だ。「有名な設計士に依頼したデザイナーズ物件でもあり、家賃はワンルームタイプで約10万円と周辺より2割程度高いです。そのためか丁寧な生活をする入居者ばかりで、今のところトラブルは全くありません」と荒川代表取締役は話す。ただ、管理規約などでペットトラブルのリスクヘッジはしている。

▲8階の約40㎡のドッグランは屋根付きで、ペットに優しいウッドチップが敷かれている

 住み替えが少ない8月に竣工したにもかかわらず、募集開始から4カ月でほぼ満室となった。「この環境で多頭飼いできる物件はほかにない」「建築士のデザインを気に入った」と入居者が入居を決めた理由はさまざまだが、オーナーのコンセプトに共感している点は共通している。また年齢層は20~60代と幅広いながらも、デザイナーや芸術関係者などクリエーティブな仕事をする入居者が多いという。

【物件概要】
物件名:kinone(キノネ)東久留米
所在地:東京都東久留米市
構造:RC造、8階建て
戸数:39戸
竣工年:2024年8月
間取り・広さ:ワンルーム・1SLDK・1LDK/30.71~70.48㎡
家賃:9万7300~25万6800円(管理費込み)

▲Aタイプ(左)とFタイプの間取り

(2025年2月号掲載)

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