孤独死保険の補償内容は事前にしっかり確認
入居者の孤独死に備え、保険に入っておくといい。家賃債務保証と合わせることで、高齢者入居のハードルをぐっと下げることができる。
いばら喜大家の会
代表 柴山修オーナー(54) (茨城県築西市)
■ 孤独死保険は大きく分けて3種類
保険加⼊者が家主のものと⼊居者のもの、また、単独で加入するものと、何らかの保険の付帯となるものがある。家主が孤独死対策として保険に加入する際には、以下の三つが主な検討候補となるだろう。
❷ 家財保険や家賃債務保証の付帯で入る
❸ 短期の単独保険で入る
❶は、支払いも受け取りも家主や管理会社。❷は支払いも受け取りも入居者(あるいは相続人)。❸はケース・バイ・ケースで、家主が加入する商品も入居者が加入する商品もある。
「火災保険に入っているから大丈夫」と考えている家主は要注意。加入している保険が孤独死をカバーしているとは限らないからだ。ぜひ説明書や約款を確認してみよう。
周囲の家主に火災保険のアドバイスも行う、「いばら喜大家の会」代表の柴山修オーナー(茨城県筑西市)は「大手火災保険の商品の例で見ると、家賃収入特約に家主費用特約も付けなければ孤独死により減額した家賃収入は補償されません」と話す。
さらに柴山オーナーは、「何かあったときに保険が使えなければ困るのは家主。自分で補償内容をしっかり見極めなければなりません」と警鐘を鳴らす。保険のカバー範囲も商品ごとに違いがあるのだ。カバーできることの例としては、原状回復費用、特殊清掃費用、遺品整理費用、空室期間の家賃、下落した家賃の補填、共用部で亡くなった場合の原状回復費用などが挙げられる。
■ 費用は数百円から
孤独死保険の保険料は、物件の条件によるが、1戸あたり数百円から数千円程度で済む。「必ず孤独死保険に加入したほうがいいと思うのは築古のワンルーム。家賃が安いので高齢者や生活保護を受けている人が入居しやすいからです。築浅は若い人が好むので、築古よりはリスクが高くないでしょう。とはいえ、長期入居を実現すれば入居者も年を取ります。そう考えると、これからの時代は最初から加入しておくのがいいのかもしれません」(柴山オーナー)
(2024年9月号掲載)
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