広島|中国エリアで建築費高騰による影響
繁忙期が終わりましたが、物件検索ポータルサイト上で、新築かつ即入居可能な物件を多数見つけて違和感を覚えました。調べてみると、サブリース大手では広島県、岡山県、山口県で各300件の新築物件の掲載がありました。賃貸住宅市場の需要を精査しているはずですが、多くの空室を前にその正確性を疑いました。募集開始時より大きく家賃を下げた形跡のある物件や、目を引くキャンペーンもあったのです。
豊田裕之オーナー
需要を示したうえで地主に建設を勧めた手前、利益をすぐには回収できないでしょう。10年後あたりに借り上げ家賃を大幅に下げ、原資の回収にこぎ着けるのかもしれません。
アパートの建築営業担当者は「このような状況になった理由の一つに建築費の高騰があり、そのため利回りが悪化し、金融機関の融資が出にくくなったのでは」と言います。その結果、借り上げ家賃を高く設定。間取りも利回りの良い1Kや1LDKに集中し、高い家賃の新築物件が量産され、需要を奪い合ったのが実情のようです。
新築物件の一棟売りや土地活用案件では、あたかも募集即満室のような表現で提案してくる会社もあります。賃貸住宅市場の現状をしっかりと調査し、検討が必要だと感じています。
(2024年10月号掲載)
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