パートナーとなる 民泊事業者
無人運営で通常賃料比2.6倍の収益
GRApP(大阪市)
衣笠達也社長(36)

ベトナム支社に20人在籍 宿泊客に多言語対応
民泊施設やアパートメントホテルなどの宿泊施設の運営を手がけるGRApP(グラップ:大阪市)は、ホテルや民泊などの宿泊施設を遠隔から管理・運営する「クラウド型ホテルオペレーション」を提供している。各種宿泊予約サイトでの集客支援から、需要に合わせた価格設定で収益を最大化するレベニューマネジメント、ゲスト対応や清掃手配などまでを行う。

▲管理する施設には大人数で宿泊できる部屋も多い
24年11月末時点で70棟800室を管理する。特徴は無人もしくは少人数で施設を運営する点だ。ベトナムに持つ支社に在籍する約20人のオペレーターが宿泊者からの問い合わせに多言語で対応。チェックインは施設のエントランスに設置する顔認証対応のタブレットで本人確認を実施し、各部屋に設置する電子キーの解除番号を発行することで無人対応を実現している。
客室平均単価を示すADRは2万円、稼働率はオペレーション効率も加味して80%程度を目安に設定。サービス提供料金は、宿泊料金からオンライン専用旅行会社(OTA)の利用手数料を除いた金額の10〜15%となる。

▲エントランスの端末でチェックインできる
建設会社と協業 目標利回り6〜8%
ハウスメーカーや建設会社と協業し、新規開業に向けたコンサルティング事業も展開する。土地の選定や建物の設計段階から関わり、立地と宿泊ニーズを加味した間取りの採用、付帯設備の検討を行う。建築会社が土地を探して建物と一緒に販売するランドセットの形態が大半で、販売先は法人が多い。
新築の場合、1棟あたりの部屋数は20室程度が多く、間取りはワンルームや1LDK、専有面積は30~70㎡程度。ランドセットでの販売は、営業純収益利回りの目標を6~8%に設定する。
20年には、積水ハウス(同)の常葉シャーメゾン支店(千葉県柏市)とのタイアップで、JR武蔵野線東松戸駅近くにアパートメントホテルを開設した。賃貸住宅よりも宿泊施設のほうが高利回りが見込めたためアパートから建て替えた案件だ。「キッチン付きの広い部屋でくつろげる」などアパートメントホテルならではの特徴が好評を得て、通常賃料の約2・6倍の収益を得られる稼働率を維持している。「ホテルとしての運用が難しかった小規模な用地や変形地も活用できる可能性がある」(衣笠達也社長)
●物件エリア:全国主要都市
●料金:宿泊料からOTA利用手数料を引いた金額の10〜15%
●特徴:海外拠点からの宿泊者対応で無人運営を実現
(2025年 4月号掲載)
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