【連載】海外各都市の不動産投資:オマーン:4月号

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オマーンの不動産事情

アラビアの歴史残す近代国家

 アラビア半島の東岸にある国、オマーン。長い海岸線を持つ自然に恵まれた国で、アラブ圏で最古の歴史を持つ海洋通商国家でもあります。19世紀の最盛期には、インド西岸からアフリカ東岸にわたる広い地域を影響下に置いたことも…。

 長い歴史を持つがゆえ、オマーンの指導者はアラビアの歴史と伝統の担い手だという自負が強いようです。隣接するアラブ首長国連邦のドバイやアブダビは、世界中から投資資金を集めて豪華な高層建築を造り、急発展しています。それを横目に、オマーンは首都マスカットでさえ高層ビルがなく、昔ながらの街並みや、モスクやスーク(アラビアンマーケット)を大事に残しながら、オンリーワンな国づくりを進めてきました。

 オマーンは産油国であり、経済状況は豊かです。1970年以降、カブース前国王の指導の下で近代化が進められました。英国をモデルとした官僚機構、議会が設置され、インフラや医療システムの整った近代国家となっています。

 マスカットの街は高層ビルこそないものの活気にあふれています。ハイウエー沿いにある多くのショッピングセンターやレストランは夜遅くまで営業しており、人通りが多く安心感があります。午前0時半に若い女性が1人で歩いている治安の良さには驚きました。

▲買い物客でにぎわうマーケット

首都でもドバイの3分の1

 オマーンは政治的、外交的に安定しており、そのバランス感覚が抜群です。それには宗教が関係しています。国教はイスラム教ですが、穏健で寛容な少数宗派イバード派が多数を占めているのです。スンニ派ともシーア派ともうまく付き合い、両宗派はオマーンで許容されています。

 そして欧州や米国との関係も良好です。近隣諸国からの移住も多く、約550万人いる居住者のうち、外国人が40%を超えています。そのため人口や住宅需要は増加傾向です。観光でも人気があり、美しい海やアラビア文化を楽しめる近代的な国ということで、欧州からの観光客が数多く来訪します。

▲オマーン湾の美しいビーチ

 そんなオマーンの不動産マーケットは、知られざる宝かもしれません。現時点ではマスカットでさえ、近代的な新築コンドミニアムの販売価格は、国際的に見ても安いです。専有坪単価100万円程度、つまり70㎡が2000万円台で買える物件もあります。これはドバイの3分の1以下の印象です。不動産価格は年率7〜9%の上昇基調で、今は参入するのにいいタイミングだと思います。


アジア太平洋大家の会
代表 鈴木 学

[PROFILE] 
海外不動産に精通し、6カ国語を操るアナリスト。国際不動産エージェントの取締役としても多数のセミナーを主催する。自身も6カ国で物件を所有し、投資・経営を行うグローバル家主。

(2026年 4月号掲載)

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