会社員時代にゼロから資産形成を開始

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会社員時代にゼロから資産形成を開始
時流に合わせて資産を増やす経営判断

 碓井裕之オーナーは、これまで、時代の変化をつかみつつ、運を引き寄せるために日々の行動や姿勢を大切にしてきたという。その結果、会社員として勤めながら、20年以内にゼロから不動産資産を築き上げ、今では妻の実家がある九州・福岡で経営者として生活している。

 現在は賃貸経営と室内ゴルフスクールのフランチャイズチェーン(FC)経営の二本立ての事業を展開。

 所有する賃貸住宅は、アパート3棟(千葉県2棟、福岡県1棟)、戸建て2棟(千葉県1棟、神奈川県1棟)、区分ファミリーマンション2戸(すべて福岡県)という構成だ。

碓井裕之オーナー(福岡市)

 基本的に満室経営を維持できており、客付けに大きな苦労はしていない。駅からの近さや街の発展性など、資産性を重視して物件を選んできたためだ。

 一方のゴルフスクールは福岡市と東京都内に計4店舗。月謝制のサブスクリプション型で、習い放題・通い放題という仕組みを採用している。1店舗あたり5打席、会員300人ほどの規模だ。碓井オーナー自身はこのビジネスモデルを「駐車場に近いイメージ」と表現し、商圏が小さめなエリアマーケティングと、毎月安定収入が得られる点で、賃貸経営とゴルフスクールに高い親和性を感じているという。

所有する物件の外観

会社員として不動産を取得

 碓井オーナーが賃貸経営を始めたのは今から約20年前の35歳の時。きっかけは、夫婦で住んでいた区分マンションを、転勤を機に賃貸に出したことだった。賃料収入の安定性に気付き、その後、自宅を住み替えながら賃貸に出す形でファミリータイプの区分所有数を3戸まで増やした。そして、本格的な不動産事業への参入を目指して妻の実家のある福岡市に木造アパートを新築した。

 当時は航空会社に勤務しており収入に恵まれていた。そのため与信を生かして融資を受け、物件を増やしていくことができたという。

 2012年ごろからは金融機関の貸し出しが活発だったこともあり、住宅ローンや事業融資を使いながら経営を拡大。物件価格が上昇してきた時期には競売にも取り組み、10件ほどを落札した経験もある。

 もちろん、すべてが順風満帆だったわけではない。競売で取得した物件では、滞納への対応に苦労した経験がある。一方で、滞納気味の入居者に格安で売却した戸建て物件もあった。

 こうした経験を経て、不動産事業で十分な収入を得られるようになった19年に会社を退職。義理の両親の介護のため、福岡に住居を移した。

 同時に遠方にあり管理負担の大きい物件は整理し、福岡県や千葉県など、自身が通いやすいエリアに物件を集中させる管理体制に整えた。

事業の軸足を移して経営安定

 現在、碓井オーナーは新たな不動産取得よりも、ゴルフスクール事業への注力と借入金の返済を重視するフェーズに入っている。物件価格が高騰する中、再投資よりも負担を抑えた経営を選択している形だ。

 その背景には、時代ごとに「何に力を入れるか」を柔軟に変えてきたこれまでの経験がある。実際、現在、事業の主力にしているゴルフスクールに軸足を移したタイミングも絶妙だった。

 コロナウイルス流行直前の19年には航空会社を退職。趣味を生かして1店舗を経営していたゴルフスクールの出店数を増やした時期は、屋外で運動ができるゴルフ業界が見直される流れがでてきた。

 

 碓井オーナーは、宅地建物取引業免許を取得して自身でも売買を行い、これまでに10棟以上の物件を売却してきたという。不動産価格が上昇する局面で売却を進め、そこで得た資金を利回りの高いFC事業に回している。資産を増やす手段を一つに固定せず、その時代に合った形を選び続けてきた。

 「タイミングが良かった。正直に言ってすべて運だと思っているのですよ」(碓井オーナー)

ゴルフスクールの様子

 ただし、その運を引き寄せるために、日々の行動や姿勢を大切にしてきた。会社員時代は通勤時にたばこの吸い殻を拾い、日常的に神社に足を運び、物件の近くにある神社への参拝も続けてきたという。

 「運良く資産を増やすことができたと思っていますし、その運を引き寄せるための行動をしてきたという自負もあります」(碓井オーナー)

 今後については「状況を見極めて動く」と語りつつも、賃貸経営を資産であり、安定収入であり、心の支えと位置づける考え方は揺らいでいない。時代を読み、運を味方につけながら資産と向き合い続けていく。

(2026年 4月号掲載)

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