東京都主催賃貸住宅断熱体感バスツアー

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<<イベントレポート>>

東京都主催 賃貸住宅断熱体感バスツアー

東京都は1月17日、賃貸住宅の断熱性能を高め環境負荷を軽減させるために、断熱住宅の魅力を伝えるバスツアーを開催した。約40人の賃貸住宅オーナーが参加した当日の様子をレポートする。

断熱体感モデルハウス見学 壁・床・窓を、見て触れて体感

 東京都が主催した「賃貸住宅断熱体感バスツアー」には、約40人の賃貸住宅オーナーが参加した。このバスツアーは、都内に1棟以上賃貸住宅を所有するオーナー向けに開催されたものだ。都内にある住戸の約半数を占める賃貸住宅の断熱・再生可能エネルギー利用をオーナーに啓発することで、都内のCO2(二酸化炭素)排出量の削減を進める狙いがある。

 ツアーではまず、都内3カ所の断熱体感モデルハウスを見学した。WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)が手がけた、練馬区にある「WELLNEST ROOM (ウェルネストルーム)練馬豊玉ソポ」は、実際に賃貸住宅として貸し出されている。西東京市にある「ふじまちテラス」と「ぶぶだん体感ハウス」はどちらも岡庭建設がリノベーションを手がけたモデルハウスだ。同社の池田浩和専務は見学後のトークセッションにも登壇した。

 築30年の戸建てであるふじまちテラスは、5年前にフルリノベを実施した。その際、断熱性能を上げるために壁の中にガラスウール、部屋の内側に発泡スチロールの断熱材を施している。

 

 リビングの大きな開口部には、トリプル(三重)ガラスを設置。防火性能の高い樹脂フレームでの窓ガラスを取り付けした結果、断熱性能も向上した。熱が逃げやすい開口部付近でも「寒さを感じない」と参加者から感動の声が上がった。

 また冬は暖気を床下へ送ることで足元から暖め、夏はロフトのエアコンから冷風を送り、吹き抜けを介して建物全体の温熱環境を整えている。太陽光や風などの自然エネルギーを最大限に活用し、エアコンに頼らずに快適な室内環境を実現する「パッシブデザイン」を採用することで、一年中快適に過ごすことができる設計となっている。

 次にぶぶだん体感ハウスは、築30年の戸建てで2025年にリノベを行っている。このモデルハウスは、床下や壁・窓など、外の空気に触れる部分の断熱性能をピンポイントで高める「ぶぶだん(部分断熱リフォーム)」で改修した。


 参加者が、内壁に断熱材を入れた6畳間と未改修の6畳間に入り、広さを比較。内壁の断熱改修の有無にかかわらず、部屋の広さに大きな違いを感じないとの声が上がった。内壁側から改修を行うのは、構造上、外壁を剥がして断熱材を入れられないケースにも対応するためだという。当日は天候に恵まれたこともあり日差しはたっぷりあり、エアコンを使用していなかった。しかし、改修後の部屋と外気温との差は10度以上に達し、断熱の効果を証明した。同ハウスの窓の多くは二重窓やペアガラスに改修されている。この交換作業は半日から1日程度で完了する。短期間で効果が得られる窓改修に対し、多くのオーナーから質問が相次いだ。

Talk session

断熱改修の魅力メリットを語るトークセッション

 モデルハウス見学後は、セミナーとトークセッションが行われた。トークセッションでは、Knees bee(ニーズビー)税理士法人渡邊浩滋代表と岡庭建設の池田浩和専務が登壇。

 渡邊代表は「1990年代半ばから2010年代に生まれたZ世代の大半は男女共に賃貸物件を探す際に、断熱性能を重視している」と指摘。実需物件の性能が向上する一方で賃貸物件の進化は緩やかであり、断熱性能を高めることが入居者ニーズの把握と空室リスクの軽減に直結すると説いた。

 また地価上昇に伴い家賃を上げやすい市況にあることに触れ、設備改修に合わせた家賃アップの交渉も現実的になっていると言及。断熱性能の向上で入居者の電気代が下がるため、家賃が上がってもトータルの負担感は抑えられるケースも少なくないという。

 池田専務は「省エネ表示を行っている賃貸住宅がまだ少ないことから、断熱改修後の『建築物省エネ法に基づく省エネ性能ラベル』付けが強力な差別化になる」と語った。池田専務によると、この省エネ性能ラベルは、オーナーが一般社団法人住宅性能評価・表示協会のサイトで作成することができる。なお改修箇所は、築年数や劣化状況により異なるため、専門家への相談を推奨した。依頼先については長期優良住宅の実績や社歴の長さを確認し、信頼できる工務店を選ぶようアドバイスした。

 トークセッションの最後には、東京都環境局気候変動対策部マンション環境性能推進担当の矢嶋圭課長が東京都の断熱改修の取り組みを紹介した。リフォームに関する補助金制度や、コンシェルジュによる支援体制について説明し、イベントを締めくくった。

▲渡邊代表(左)と池田専務が断熱住宅について語った

(2026年4月号掲載)

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