不動産鑑定⼠が物件調査 ―坂田不動産鑑定

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不動産鑑定士が物件調査
設備投資なしで賃料向上も

 賃料を上げるための具体的な方法として、専有部のリフォームやリノベーション、設備投資などが挙げられるが、オーナーに金銭的な負担がかかる。坂田不動産鑑定は、不動産鑑定士の視点から、賃貸住宅の家賃引き上げのための物件調査サービスを提供している。中立的な立場で適正な賃料を提案する。

坂田不動産鑑定
坂田一郎代表

築古物件は家賃アップの可能性あり

 同社の坂田一郎代表はこれまで、地価や固定資産税、路線価の算定、差し押さえ物件の売却価格の査定を行ってきた。「特に築古物件では、周辺相場と比べ、相対的に賃料が低く設定されている物件が多い」と話す。そのような物件では、設備などのコストをかけずに賃料を上げられる可能性が高いという。

 坂田代表は新卒で新潟県の大手ゼネコンに入社し、29年間主に営業職に従事。その後、地盤改良会社に12年間勤めた後、不動産鑑定士となった。「これまで不動産鑑定士として携わった案件には、入居から長期間たっているにもかかわらず、賃料が改定されていない古い物件が数多くあった。特に郊外や地方に多く、適正賃料にまだ達していない物件は肌感覚で6~7割あるのでは」(坂田代表)

AIではなく「人」が査定する意義

 賃料査定では、まず現地調査や書類査定を行う。地価や路線価を調べて土地の査定額を算出する。次に建物の状態やグレード、周辺の類似事例、利回りなどを含め、新たに賃貸借契約を締結する際の新規賃料を総合的に設定。既に契約している賃貸借契約を更新する際の継続賃料は、新規賃料を算出したうえで、現行賃料との差額を考慮して決定する。

 昨今では、AIを活用した賃料査定システムも普及している。そのような中、現地調査を経て賃料査定を行うことについて、坂田代表は「賃料査定は個別案件ごとに実態や内容が異なるため、世の中に出回っている情報だけでは判断できないことも多い。オーナーがこれまで構築してきた入居者や不動産管理会社との人間関係なども考慮する必要がある。不動産鑑定士による調査は、機微な要素を扱う場面では優位性がある」と話す。

各士業と連携した「相続支援業務」を目指す

 賃料の査定だけでなく、底地・借地における地代の適正評価や、借地権の買い取り価格の査定など、複雑な権利関係にある物件の評価にも対応している。オプションとして、地盤調査の提供も可能だ。対象となる不動産は、居住用の集合住宅に限定せず、工場用や事業用の物件などすべての不動産が含まれる。対応エリアは北陸地方を中心とした全国だ。ただし遠方の場合は、現地調査の出張費用が追加で発生する可能性がある。

 今後は、賃貸オーナーからの相続に関する相談への対応を目指している。「税理士や弁護士など、他分野の専門家と連携してコンサルティング業務への関与も視野に入れている」(坂田代表)

現地調査ではドローンを活用することも。外壁をはじめとした物件の状態を細かく調べる

(2026年7月号掲載)

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