広島|大企業の商業施設参入で生まれる市場の変化
豊田裕之オーナー

広島市のJR芸備線下深川駅前で計画されていたオープンモール型商業施設「リベモール深川」。5月26日時点で計画はいったん取り下げられていますが、食品スーパー「エブリイ」を核店舗とする全14区画という大型プロジェクトの中心にいたのは、意外なことに大東建託です。自らが事業主体となり土地を借り受け、デベロッパーとして商業施設全体を開発・運営予定でした。同社は不動産開発事業の売上高を引き上げる目標を掲げており、今後は賃貸事業で培ってきた土地活用のノウハウと資本力を商業分野へと注ぐようです。
これまでの賃貸市場は、人気エリアの中で物件の設備や家賃設定によって競い合うことが主流でした。しかし、大東建託のようなトップ企業が巨大な資本で生活インフラそのものを整備するようになれば、市場のルールが変わります。自社で開発した商業施設の周辺に自社の賃貸物件を展開することで、圧倒的な利便性を武器に、高い入居率と家賃水準を長期的に維持する強力な勝ち筋が見えてきそうです。
これまで一等地であっても賃貸住宅のみの開発に専念していた同社が、商業施設の開発という新しい展開に乗り出したことは、今後の賃貸市場の在り方を決めるかもしれません。
(2026年9月号掲載)






