父方、母方から受け継いだ財産 有効活用すべく奮闘する次世代
地主である父から不動産の管理を任されているのは中村太一オーナー(滋賀県草津市)。父方の実家はもともとナシ農家で、賃貸経営を始めてからは3代目となる。
中村太一オーナー(滋賀県草津市)
現在は父の所有財産の管理を手伝っており、一家の主な収入源は15年前に祖母から父への相続対策として建築した賃貸アパートと借し駐車場だ。手残りは年間500万円ほどとなる。
アパートのある土地は以前はナシ畑で、それが市街化区域に入ったもの。約5700㎡のうち1300㎡がアパートの敷地だが、残りは現在竹林になってしまっているのだという。「父は、自身の代ではこの土地を活用しようとは考えていません。しかし、私はここに賃貸物件を建てて賃貸経営を拡大したいと考えています」(中村オーナー)
実は今年、来年は竹林をアパートに変えるチャンスなのだという。中村オーナーの竹林の半分は淡竹(ハチク)という種類で、120年に1度花が咲き、その後すべて枯れ落ちる。現在、花が咲きそうな兆候が見えているのだという。
一気に枯れた後には立ち枯れた竹を伐採して処分する必要があり、その土地を活用して賃貸経営を始めるには絶好のチャンスなのだ。「父を説得するためにも自分の賃貸経営のためにも、大型の重機の免許を取得する予定です」(中村オーナー)
▲花が咲いて枯れた淡竹 ▲元はナシ畑だった竹林
母方祖母から現金を相続 株と賃貸経営で資産形成
中村オーナーは母方の祖母からは現金を相続した。これは、祖母が株の投資で増やしたもの。中村オーナーはこのお金で築古戸建てを購入したり、自らも株に投資したりしている。母が病弱だったこともあり、多くの時間を母方の祖父母と過ごした中村オーナー。築古の購入だけでなく、株にも分散投資しているのは祖母の影響が大きいという。
「結局、祖母は母の看病に加えて私の面倒も見ていたので、会社に雇用されてお金を得る人生から外れてしまったんです。祖父に万一のことがあったらという思いで祖母が始めたのが株だったのでしょう。私も幼少期からテレビ大阪の株式ニュースの番組を祖母と見ていました。お金だけでなく、株式投資への向き合い方など投資に向き合う姿勢を相続したと感じています」(中村オーナー)
分散投資しつつ、賃貸経営の経験を重ねる中村オーナー。両方の家から受け継いだ資産を中村オーナーの代で増やし、賃貸経営事業を軌道に乗せることが目標だ。
▲購入した築古戸建て
(2024年5月号掲載)
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