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人の人生に関われる賃貸事業 理学療法士の専門性生かす夢描く
松田勇樹オーナー(29)
(千葉県船橋市)
2020年より不動産投資を学び始めた松田勇樹オーナー(千葉県船橋市)は、現在5戸の戸建てと1棟3戸のアパートを所有している。「将来的には、高齢の障がい者であっても安心して入居できる施設をつくりたいと思っています」と夢を語る松田オーナーだが、不動産に関わり始めた当初はあくまでも「投資」と考えていたという。
21年に一般社団法人全国古家再生推進協議会(大阪府東大阪市)主催の築古戸建て内見ツアーに参加。複数回ツアーに足を運ぶ中で物件の選び方が見えてきた。そこで、埼玉県春日部市にある築年数不詳の戸建てを現金300万円で購入。通常であればDIYをするところだが、350万円のリフォームローンを組んで職人に依頼をした。「職人と一緒に作業しながらDIYの知識を得たいと考えたからです」(松田オーナー)。敷地内に2棟あったため、1棟をガレージとして貸し出したところ、募集から2日で入居者が決まった。
人に住まいを与える喜び
▲(After)
▲(Before)DIYで行ったリフォーム
22年、千葉県我孫子市に購入した2戸目の戸建てで、意識が変わる経験をした。2戸目はDIYをして貸し出したため、入居者がどのように生活をしているのか気になった。そこである夜、物件の近くまで行ってみたところ、入居者の子どもが楽しそうに動き回っている音が聞こえた。「人に住まいを与える喜びを感じました」(松田オーナー)
それと同時に、自分が大学院まで学んだ理学療法士としての専門性を不動産に反映していくことができるのではないかと考えるようになった。「大きな夢は、不動産を通して人の一生に関われるようなプロジェクトを行うことです」と松田オーナーは話す。子どもには教育を、成人には雇用を、そして高齢者には介護施設を供給できるような、ハイブリッドな一大プロジェクトを頭に思い描いている。
自分が生活していくためだけの「投資」であれば、戸建てを買い進めていくだけでも問題はない。だが、描いているような社会貢献をするためには規模を大きくしていく必要がある。そこで24年1月に、初めてのアパートを大分県佐伯市に購入した。アパート経営で手元のキャッシュを増やしつつ、次のステップに進むつもりだ。
今後は生まれ故郷である大分県に戻り、友人と共に高齢者向けグループホームを開業する予定だ。「初めて購入した戸建ては1年半所有して950万円で売却できました。将来的には宅建事業者となり、戦略的な売却を行いながら拡大を図りつつ、社会貢献ができる物件を増やしていきたいです」と抱負を語る。
(2024年6月号掲載)
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