顧客に経験を問われ不動産経営を開始 現在は14の物件を運営中
不動産オーナーに、不動産会社の経営者、不動産オーナーが学ぶ場での講師。いろいろな立場で不動産業界で活躍するのは木内正樹オーナー(東京都渋谷区)だ。以前は信託系不動産会社の資産運用コンサルタントとして、顧客に合わせて資産組み換えや土地活用などを提案し、全国ナンバーワンの営業成績を残したこともある。
木内正樹オーナー(51)(東京都渋谷区)
そんな木内オーナーが不動産オーナーになろうと思ったきっかけは、30歳の時に自身が担当した不動産セミナーだった。「あなた自身は何か不動産投資をしているのか」と受講者から質問されたのだ。当時は不動産を保有していなかったため、自分の言葉に説得力がないと感じたという。
その後、当時住んでいた滋賀県で農地を1反(約300坪)購入。造成工事を行い、月極駐車場にした。しかし、周囲のほとんどの家に駐車スペースがある環境で月極駐車場がうまくいくのか。周囲は懐疑的だったが、ゆとりある区画にする、複数台の契約で割引するなどの工夫を凝らした結果、開放的で明るい立地も相まって、常に空き待ち状態の駐車場となった。
その後、老朽化と空室に困っていた地主から14戸のアパートを取得。リノベーションや賃料の見直し、ホームステージングを行うことで、収益性を改善した。「『収益は高くコストは低く』が経営のポイントです。管理会社に任せきりにするのではなく、オーナーも常にキャッシュフローを意識しなければなりません」(木内オーナー)
可変性にこだわった 湘南の貸しスペース
現在は地元の滋賀県のほか、東京都、神奈川県鎌倉市、神戸市、北海道など14物件を運営中だ。木内オーナーは「不動産投資をする際の判断基準は、好きな街だということです」と話す。
所有物件の中でも、神奈川県・湘南のスペース貸し施設には今までの経験を生かした工夫が詰まっている。住居としても、貸しスペースとしても利用できる「可変性」にこだわった。
別荘は空き家になるケースも多いが、住居として利用しながら収益を生むことができる仕組みにすれば、空き家対策と収益化が同時にでき、売却時の価値も高まるだろう。木内オーナーは、そのモデルハウスとしてこの湘南の物件を建てた。
「住まいとしての良さだけでなく、中古市場での流通性にも対応したモデルです。宅地建物取引士として資産価値に着目した建物にしました」(木内オーナー)
不動産経営の極意は「できるだけ早く不動産投資を始めること」「不動産投資を楽しむこと」「借主の要望に耳を傾け、常に学びを深めること」の三つだという木内オーナー。今後もさまざまな取り組みや情報発信を行っていきたいと語る。
(2025年 2月号掲載)
アクセスランキング
- 注目の新築プロジェクト:植栽付きバルコニーとドッグラン
- Regeneration ~建物再生物語~:築90年の日本家屋
- 【PR・特集】相続で 困ったときに頼りになる 専⾨家・サービス①
- Regeneration ~建物再生物語~:既存不適格建築物を店舗併用住宅に再生
- 【特集】非住宅ではじめる 遊休地活用ビジネス第六弾:①
- Regeneration ~建物再生物語~:築古アパートをシェアハウスに改修
- 【特集】持ち味発揮 共用部を変えた家主の工夫①:エントランス
- 【特集】押さえておきたい不動産の共有リスクと解消法①
- Regeneration ~建物再生物語~:アトリエ付き住宅へリノベして受賞
- 【特集】古くなったら避けられない 大規模修繕の基礎知識①
- 【特集】24年のカギを握る入居者を引き付ける設備9選
- Regeneration~建物再生物語~:魚屋を複合施設へリノベ
- 【特集】基本を知れば怖くない 税務調査への 対応策:①税務調査概要編
- 【特集】時代に乗り遅れるな今こそ省エネ化①:省エネ賃貸住宅の夜明け
- 【特集】不動産購入で伝来の土地を守る
- 地名・土地の名前の由来 その隠された意味とは?
- 地主・土地持ちはずるいvs大変?地主になるにはどうやってなる?
- 武家屋敷(大名屋敷・江戸屋敷)の特徴とは? 跡地に建つ有名施設
- 大家さんとは? 不動産の大家さんになるには
- ランドセット(売り建て住宅)とは メリットデメリット